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この辺りで一番大きな花火大会なだけあって、人の多さに圧倒される。
「凄い人だね…」
ぎゅうぎゅうと押し合う人の波に流されて、出店を横目に見ながら河川敷目指して歩き出す。
遼「迷子になりそう…。みんな、手繋がない?」
そう言うと遼がスッと私の右手を握った。
すかさず左手で美幸の手を取りギュッと握った。
こうして、何とか目的の場所まで辿り着くとはぁーっと深呼吸して草原に腰を下ろした。
「折角お気に入りの浴衣着て着たのにーっ!」
着崩れた浴衣を直しながらグチをこぼす。
美幸「ホントだよーっ!何でこんなに人多いのっ?」
ずれた髪飾りを直しながら美幸も私に続いた。
遼「でもさ?2人共今日はチョー可愛いよ?」
「今日はって何?いつもは可愛くないって?!」
遼「いや、そんな事は言ってないよ?笑」
悠太「あーもう!余計な体力使うな使うな!帰りの体力残しとかないと知らないよ!」
堅実な悠太の忠告に、私たち3人は口を噤んだ。
美幸「喉乾いたーっ。何か飲みもの買いに行こう?」
夜になっても下がりきらない気温に喉の渇きは限界で、美幸の意見に皆賛同した。
悠太「でも今ここ離れたら場所無くなるよ?」
次々と押し寄せる人の山を見ながら溜息をつく。
美幸「はい、ジャンケンね!最初はグーっ!」
「ちょ、っと!まってよ!」
『ジャンケン、ポンっ!』
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遼「しょうがないだろ?負けたんだから!」
人混みを掻き分けて、出店のある所まで今来た道を引き返す。
「あー、もうまた着崩れるー!」
さっき直した帯が若干ズレるのを感じ、少しイライラする。
遼「もう、ほらっ。何か買ってやるからそんなイライラすんなよっ!」
差し出された遼の手を掴むと、グイッと引っ張られてさっきよりも早いペースでぐんぐんと先を進む。
出店は神社の境内にあり、花火大会の時間が押し迫っていることもあって河川敷に流れた人だかりが幾分かはけていて、比較的空いていた。
「あーっ、美味しー!」
近くのベンチに腰掛けてかき氷を頬張りながらひと息つく。
遼「俺にもちょっと頂戴よ!」
「えーっ?遼も食べるの??」
遼「って、それ俺が買ってやったんだろ?」
仕方ないなぁとカップを遼に差し出した。
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Ika2424(プロフ) - てんさん» コメントありがとうございます!2の方ですよね?まだ一話もかけていない状態でして(TT)一話書き終わり次第すぐに全体公開致しますので今しばらくお待ちください(>_<) (2019年4月7日 15時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
てん - いつも楽しみにしています。恋愛写真のパスワードってどうすればいんですか? (2019年4月7日 13時) (レス) id: 3758975c70 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - ふみさん» 心をチクチク刺激する展開ですが、ワクワクしてもらえたらこれ幸いです笑 恋って…難しいですねぇ〜。 (2019年3月23日 23時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 心が痛くなるねぇ……この展開。少なからず恋心があったんだろうに…… (2019年3月23日 21時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - 楽しみコメント嬉しい限りですーっ(o^^o)コツコツ進めますっ☆ (2019年3月23日 18時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ika2424 | 作成日時:2019年3月3日 0時