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西島「さっき言ったこと、本当?」
魂の抜けたような声で私に問う。
「何が?!」
西島「5年前の続きする?って。」
「正気?!」
西島「至ってそうだけど?」
立ちがるとあの日と同じ様に私の目を憚らずスーツを素早く脱ぎ捨てる。
ネクタイを解き、それを椅子にかけるとワイシャツのボタンを無言で一つずつ外してあっという間に上半身は裸だ。
あの日がフラッシュバックする。
あんなに他の人達と肌を重ねてきたのに私は…
恐怖で身動きが取れなくなっていた。
一歩ずつこちらに進む足元をじっと見つめていると目の前でピタリと止まった。
肩に掛けられたジャケットをサッと外され、キャミソール一枚になった私を瞬きもせず見つめた。
西島「逃げないって言ったよね?」
小刻みに震える身体をどうにか気付かれまいと、強く手を握り彼を睨んだ。
それを気にする様子もなく近付けられた顔を真正面から受け止めた。
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それはとても柔らかくて暖かった。
心地良さから知らぬ間に閉じた目を強引にこじ開けて彼をじっと見る。
長い睫毛が揺れている。
吸い込まれていく瞳。
ゆっくりとその目が開き、目線がぶつかるとふわりと笑って私の口腔内にねっとりと舌を這わせた。
いつまでもいつまでも彼は唇を離さず、その隙に私の衣服をあっという間に全て脱がしていった。
西島「やっぱり綺麗……」
一瞬外した唇。その瞬間ふわりとベッドに倒されて、
彼は隈無く私の全身にキスを落としていった。
まるで罪滅ぼしの様な優しい愛撫が私の心をぐちゃぐちゃに掻き回す。
そして、私の下腹部にそっと触れて
西島「今日はちゃんと欲しい…」
そう言って敏感な部分に触れた濡れた指をいやらしく舐め上げるとゆっくり腰を沈めていった。
押し寄せる快楽にすっかり5年前の事は頭から離れ、この味わった事の無いような感覚の正体を必死に探していた。
ふと覆いかぶさる彼の顔を見たら
沢山の涙を浮かべていた…
その時に私は…この初めての感覚の正体を知った…
「まだ私…恋……してる……」
汗に混じり、降り注ぐ雫はわたしの頰をパラパラと濡らす。
「なんで泣いてるの?」
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Ika2424(プロフ) - てんさん» コメントありがとうございます!2の方ですよね?まだ一話もかけていない状態でして(TT)一話書き終わり次第すぐに全体公開致しますので今しばらくお待ちください(>_<) (2019年4月7日 15時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
てん - いつも楽しみにしています。恋愛写真のパスワードってどうすればいんですか? (2019年4月7日 13時) (レス) id: 3758975c70 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - ふみさん» 心をチクチク刺激する展開ですが、ワクワクしてもらえたらこれ幸いです笑 恋って…難しいですねぇ〜。 (2019年3月23日 23時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 心が痛くなるねぇ……この展開。少なからず恋心があったんだろうに…… (2019年3月23日 21時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - 楽しみコメント嬉しい限りですーっ(o^^o)コツコツ進めますっ☆ (2019年3月23日 18時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ika2424 | 作成日時:2019年3月3日 0時