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遼の墓前には沢山の花束が供えられ、彼が好きだった食べ物や飲み物が所狭しと置かれていた。
「遼、遅くなってごめん…。」
線香に火をつけて供えると、手を合わせて何度も謝った。
こんなに様変わりした私を遼がみたらなんて言うかな。
もし生きてたら、何馬鹿な事してんだよってきっと、真剣に叱ってくれただろう。
遼…あの日、告白してくれた時の純粋な私は
遼と一緒に死んでしまったのかな…
遼………
美幸がそっと私にハンカチを持たせてくれた。
おもむろに顔に手をやると頰が濡れていて、まだ涙を流せるだけの感情は残っていたんだと少しだけ安堵した。
美幸「遼、Aが来てくれたよ。遼!A、綺麗になりすぎててびっくりしたでしょう?死んだ事後悔してるでしょう?笑」
笑いながら遼に語りかける美幸に思わず私もつられて、
2人で顔を見合わせて笑った。
それからあの喫茶店に場所を移して、募る話の続きを始めた。
美幸「ねえ、明日は?休み取ったって言ってたけど。」
昔から好きなものが変わらないんだなと、美幸のグラスの中のミルクティーを見ながら笑いを堪えていると美幸が尋ねてきた。
「実家でゆっくりしようかなーって!ずっと帰ってなかったからさ私。」
アイスコーヒーを飲みながら、美幸に答えた。
美幸「夜、久しぶりに悠太と3人で飲みに行かない?笑」
嬉しそうにそう話す美幸に、昔の感覚がどんどん蘇り、
「イイねぇ!行く行く!笑」
なんだか久しぶりに心底ワクワクした。
美幸「遼の命日の日は決まって悠太と会ってるの!A居ること黙っといてイイ?笑」
イタズラっぽく笑うと私も楽しくなってきて
「それ賛成っ!笑」
と、二つ返事で了承した。
悠太は製薬会社に勤めていて、比較的残業もない良い待遇の所へ就職をしたようで大体遅くても夜7時には集まれるだろうということだった。
あの日、私と西島くんに何か良くない出来事があった事は誰にも話してはいなかったけど、
鈍感な美幸も流石にそれには気がついたようであれ以来西島くんの話題を出すことは一切なかった。
「紅白見た?」
唐突にそうぶつけると、あからさまに動揺した様子で
美幸「んっ?あ、見たよー。」
とだけ答えが返ってきた。
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Ika2424(プロフ) - てんさん» コメントありがとうございます!2の方ですよね?まだ一話もかけていない状態でして(TT)一話書き終わり次第すぐに全体公開致しますので今しばらくお待ちください(>_<) (2019年4月7日 15時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
てん - いつも楽しみにしています。恋愛写真のパスワードってどうすればいんですか? (2019年4月7日 13時) (レス) id: 3758975c70 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - ふみさん» 心をチクチク刺激する展開ですが、ワクワクしてもらえたらこれ幸いです笑 恋って…難しいですねぇ〜。 (2019年3月23日 23時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 心が痛くなるねぇ……この展開。少なからず恋心があったんだろうに…… (2019年3月23日 21時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - 楽しみコメント嬉しい限りですーっ(o^^o)コツコツ進めますっ☆ (2019年3月23日 18時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ika2424 | 作成日時:2019年3月3日 0時