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その後、先生をはじめクラスのみんなから過剰に心配をされ、私は情けなくなった。
真面目にやってきたから、嘘をついたって誰も気付きやしない。
遅刻したのに、サボって公園で缶コーヒー飲みながら過ごしてたのに…
誰一人として私を疑う者はいなかった。
西島くんは大丈夫だろうか…。
ここから見える普通科の校舎を眺めながら、彼が誰にも責められていないことを願った。
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あの日があったからって、別に私と西島くんの仲が何か変わった訳じゃない。
あれから電車の時間に遅れることはなかったから朝同じ電車になる事もなかったし、学校で彼を見かけることもなかった。
第一、突然にばったり会ったとしても、声をかける勇気を私は持ち合わせてはいない…。
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今日は部活が休みな為、美幸と久しぶりに一緒に帰る約束をしていた。
何だか時間が惜しくて、終業のチャイムが鳴ったら急いで普通科の校舎に向かった。
途中で美幸と同じクラスの仲の良い子にバッタリ会って、美幸が部室に荷物を取りに行ったことを聞いた私は、方向転換をして部室を目指した。
コンコン…
「美幸ーっ?居るー?」
鍵のあいていない部室に、ここにいない事を悟る。するとバタバタと慌てた様子の悠太と呑気にあくびをしている遼に出くわした。
悠太「あれ?A、何やってんの?」
「悠太達こそ!美幸探してるの。知らない?」
悠太「オレ、部室にラケット忘れて取りに来ただけ!美幸さっき居たよな、遼!俺いまからバイトだから先急ぐわ、ワリィ。」
そう言って手を振ると走り去った。
すると遼が
遼「美幸なら先生探しに行ったんだよ!先生が女子の部室の鍵持ってるみたいでさ。体育館じゃねーかな?俺暇だから一緒に探しに行こうか?」
二人で探したほうが早いだろうし、暇という言葉に甘えてお願いする事にした。
遼「この後ヒマならなんか食いに行こー?腹減って腹減って仕方ないんだって〜!」
体育館までの道で遼は何度も腹減った!を連呼している。いい加減、面倒臭くなって「分かった分かった!」と返事すると大喜びして、早く美幸を見つけようと気合が入ったようだった。
部活が休みの日なだけあって体育館はもぬけの殻で、誰一人として見当たらなかった。
「居ないじゃんー。美幸どこいったんだろ。」
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Ika2424(プロフ) - てんさん» コメントありがとうございます!2の方ですよね?まだ一話もかけていない状態でして(TT)一話書き終わり次第すぐに全体公開致しますので今しばらくお待ちください(>_<) (2019年4月7日 15時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
てん - いつも楽しみにしています。恋愛写真のパスワードってどうすればいんですか? (2019年4月7日 13時) (レス) id: 3758975c70 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - ふみさん» 心をチクチク刺激する展開ですが、ワクワクしてもらえたらこれ幸いです笑 恋って…難しいですねぇ〜。 (2019年3月23日 23時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 心が痛くなるねぇ……この展開。少なからず恋心があったんだろうに…… (2019年3月23日 21時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - 楽しみコメント嬉しい限りですーっ(o^^o)コツコツ進めますっ☆ (2019年3月23日 18時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ika2424 | 作成日時:2019年3月3日 0時