10 ページ10
.
理沙達と別れて、ウインドウショッピングをしながら仕事に使うコスメを調達していたら、あたりはすっかり暗くなっていた。
今日は家で作って食べようと夕食の買い出しをして家路を歩いていると携帯の着信音が鳴った。
「もしもし、圭?どうしたの?」
仕事が早く終わったようで、ご飯を一緒に食べようとの誘いだった。
夕食の買い出しを済ませてしまったのもあって、家に来て2人で一緒に食べようという事になった。
家に着くとひと足早く彼は着いていた。
「寒かったでしょ?中入って!」
お邪魔しまーすと、何度も訪れている我が家に躊躇なく入る彼の後ろを、買いすぎた諸々の袋たちを必死に抱えてついて行く。
理沙達に会うのが久しぶりだったから、ちょっとおしゃれを頑張って新しいパンプスで出掛けたのを後悔した。
「あーぁ、かかと擦りむいてるわー。痛い。」
その声は圭には届いてはおらずバサッとソファーに腰掛けて
圭「電話かけた時間、タイミングよかったよねー今日!」
なんて笑っていた。
そんな屈託のない圭の笑顔に、精一杯の作り笑顔で返事を返す。
「ほんとだよ!材料買いすぎて丁度よかった!さてはスーパー辺りからわたしのこと見てたな?笑」
痛むかかとを軽くさすり、重たいスーパーの袋をキッチンに上げながら、カウンター越しにテレビを見て笑う彼の後ろ姿を見つめる。
彼はとてもいい人だけど、とても鈍感な人…
彼に悪気がある訳ではないのがわかっているから、わたしはいつも言葉を飲み込む。
三年の間に、ちょっとは変わるかな、なんて期待を持ったこともあったけど
今では、これが圭なのだ。と、もう大して何も思うことはなくなった。
「…でも、重たいもの持ってたら、ちょっと持ってくれたって、いいと思わない?」
声にならないくらいの小さな声で呟きながら、ひとり夕食の準備に取り掛かった。
.
.
.
241人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ika2424(プロフ) - あきさん» コメントとても嬉しいです!そして最後まで読んで頂けたなんて、更に嬉しいです!!ありがとうございます(*^o^*)また新しい作品を書く励みになりました!感謝です! (2019年3月3日 22時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 今日あれから全部読ませていただきました。ああこの名前じゃなかったらダメだと思いました。言葉の表現が好きでした。 (2019年3月3日 22時) (レス) id: 14702f8eae (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - あきさん» コメントありがとうございます☆お名前変換ですが、こちらの話と登場人物の名前を少しリンクさせて作ってありますのでこのままご覧頂けたらと思います!次作は変換出来るものをと思っております!ご希望に添えず申し訳ありません!! (2019年3月3日 19時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 名前変えれるようにしてください (2019年3月3日 16時) (レス) id: 14702f8eae (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - ゆりかさん» ありがとうございます!私の妄想にお付き合い頂き感謝で一杯です!完結まで頑張りますね(o^^o) (2018年11月30日 0時) (レス) id: 7d78c78304 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Ika2424 | 作成日時:2018年11月10日 1時