あなたとわたし

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西島side






「…あーもう、うるせぇー…」




寝ぼけ眼でハミガキをしながら、何度も鳴る携帯にイライラしながら出る。





「もう降りてく、もうちょい待って！」





ハミガキを終わらせて、サングラスに帽子を深く被ると大きなボストンを肩にかけて飛び出した。







マネ「おはようございます。時間ないですよ！」







困った顔のマネージャーに、ごめんごめん。と手を合わせて後部座席のドアを勢いよく開けると、







美月「…おはようございます。」






不意打ちで、会いたかった子に会えてビックリ。







「お、はよう。ビックリしたじゃん笑」







そう言って彼女の隣に座る。







「今日は私服なんだね？」







美月「流石に、移動中あれはマズイかと笑」








まっすぐを向いたまま優しく笑う彼女に心が解された。







綺麗な形のデニム姿がまた新鮮で、チラチラ見てしまう。






美月「なんかついてます？」





どっかで聞いたセリフ







「君があまりにも綺麗で笑笑」







マネ「何バカなこと言ってんですか笑」







そんな会話を3人で笑いながらしていると駅に着いて、スタッフと合流して現地を目指した。






新幹線の座席も彼女を隣に呼んだ。






俺がどれだけ彼女に近づこうと、誰も何も思う奴は居なかった。






それだけ、みんなには彼女が特別素敵には写っていないからなのだろう。







俺はそれを逆手に取って彼女により一層近付いていく。







「ねえ。」








美月「はい？」








「彼とはどうなったの？」








美月「別れましたよ。」








「早っ！！マジで？」






美月「西島さん、言ったじゃないですか。もう終わりにしなよって。」








「いや、言ったけど…。三年も一緒にいたんでしょ？」








美月「案外引きずるタイプですか？西島さんは。」








彼女の俺に媚びないこの感じがたまらない。






「引きずるタイプなのかもー笑笑」





あー癒されるこの時間笑





ニタニタしながらこの時間を楽しんでいた。






ガサゴソカバンをさばくる彼女





「あげる。」




さっきから咳払いしてるから、きっと喉乾いてんだろう。持ってきたお茶を一本差し出した。






美月「魔法使いですかね？」






「ん？一応俺、肩書きは魔法使いなんだけど。」






ポカンとする彼女が可愛くて、思わずグニっとほっぺをつねった。



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