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美月side
「声が泣いてるよ」
西島さんに言われてはじめて、心が泣いていることに気が付いた。
気付いたらもう止まらなくなって
無表情のまま、泣いていた。
「そんな事、言わないでくださいよ。」
涙も拭かず前だけ見て応えた。
西島「自分の気持ちに気付かないふりはしたらダメだよ。」
彼もまた、私を見ずにそう返した。
この夢か現実かわからない空間に突然の着信音がけたたましく鳴り響いた
「圭だ…」
出るか迷っていると
西島「彼は私のことが大好きで、私もそんな彼のことが好き?」
ぐさりと突き刺さるような言葉が飛んでくる。
西島「変な言い方して。どうしてはっきり言えないの?私を好きな彼が好きなだけだって。」
着信音は止まらない。私への愛の強さを物語るように…
西島「だめだよ、三年も彼を繋ぎとめちゃ。」
心臓がバクバクして今にもどうにかなりそうだった。
西島「もう終わりにしなよ、彼の事も、自分の事、無いものみたいにするのも。」
次は哀しそうな声で…
西島「今日でおしまいにしてよ、そーゆーの。俺、君と出会えてワクワクしてんだよ。だけど、君のそうゆうとこは必要ないの。君は…
充分価値のある人間だよ?」
その言葉を聞いて…私は全身で泣いた。
圭の電話にも出ずに、体を丸めて泣き続けた。
そんな風に言われたことはなかったから。
そんな風に私を知ろうとしてくれる人も居なかったから。
こんなに誰かに私という人間を見てもらえたことが無かったから。
電話が切れて静寂が戻る。
西島「2回目にヘアメイクしてくれた日に、美月ちゃんとこれから絶対に一緒に仕事をするって決めたんだ。」
西島「鏡見た時、衝撃だったんだよ。君は俺の全部を出してくれた。ぶっきらぼうで、モッサいカッコして、何考えてるか分かんないし、しかもちょっと怖いし笑
でも、仕事を見たら分かるよ。本当の君がどんだけ情熱的でスタイリッシュでステキな子かって。」
西島「だから殻に閉じこもってないで、出ておいでよ。ていうか」
西島「俺と仕事する以上、変わってもらうから。」
そこまでいうとシートを起こし、彼のキャップを私の頭に乗せた。
西島「はははははっ!すっげー似合わねーの!」
そう言って、またいつもの無邪気な笑顔を見せた…
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Ika2424(プロフ) - あきさん» コメントとても嬉しいです!そして最後まで読んで頂けたなんて、更に嬉しいです!!ありがとうございます(*^o^*)また新しい作品を書く励みになりました!感謝です! (2019年3月3日 22時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 今日あれから全部読ませていただきました。ああこの名前じゃなかったらダメだと思いました。言葉の表現が好きでした。 (2019年3月3日 22時) (レス) id: 14702f8eae (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - あきさん» コメントありがとうございます☆お名前変換ですが、こちらの話と登場人物の名前を少しリンクさせて作ってありますのでこのままご覧頂けたらと思います!次作は変換出来るものをと思っております!ご希望に添えず申し訳ありません!! (2019年3月3日 19時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 名前変えれるようにしてください (2019年3月3日 16時) (レス) id: 14702f8eae (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - ゆりかさん» ありがとうございます!私の妄想にお付き合い頂き感謝で一杯です!完結まで頑張りますね(o^^o) (2018年11月30日 0時) (レス) id: 7d78c78304 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ika2424 | 作成日時:2018年11月10日 1時