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美月side
仕事中だというのにガラにもなく心乱されて
落ち着け、落ち着け。と彼に見えない様に握りこぶしを強く握る。
鏡に映る彼を見ると、気を遣ってか下を向いて携帯の操作をしていた。
その姿にまた自分のペースを取り戻すことが出来た。
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しばらくするとガンガンと扉が鳴って、沈黙を切り裂くように激しくドアが開いた。
入ってきた男は整った外見には似つかわしくない関西弁で西島さんの隣に空いていた回転椅子に座り込み、子供の様に回り出した。
西「あー、同じメンバーの與真司郎。ごめんね、うるさくて。」
まるでわたしが見えていないかのように会話する彼に、わたしの存在を知らしめるかのごとく言葉を遮る西島さん。
挨拶を軽く交わすと
與「名前!なんて言うん?」
と屈託のない笑顔を向けられて
ああ、生粋のモテキャラだな、この人は…。とぼんやりと思った。
この手のタイプの人はほんとに苦手で、どうしても直視できない。
下の名前は?なんて聞かれて、更にそわそわする。
…答えたくないんだけどなぁ…
美しい月なんて、名前負けしてるもいいとこで、いつだって職場では田中さん。と呼んでもらってきた。
私はありふれた『田中さん』が一番心地いい。
美しいなんてフレーズを自分を表す言葉で使うのに、堪らなく抵抗があって
美容師の美とか、おかしなことを口走った。
ケタケタ笑う與さんの声がなんだかとっても遠くにきこえて
鏡に映る二人と一緒に写る自分の姿があまりに滑稽で、そこに自分が映らない様にさりげなく二本、三歩と後ろに下がった。
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Ika2424(プロフ) - あきさん» コメントとても嬉しいです!そして最後まで読んで頂けたなんて、更に嬉しいです!!ありがとうございます(*^o^*)また新しい作品を書く励みになりました!感謝です! (2019年3月3日 22時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 今日あれから全部読ませていただきました。ああこの名前じゃなかったらダメだと思いました。言葉の表現が好きでした。 (2019年3月3日 22時) (レス) id: 14702f8eae (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - あきさん» コメントありがとうございます☆お名前変換ですが、こちらの話と登場人物の名前を少しリンクさせて作ってありますのでこのままご覧頂けたらと思います!次作は変換出来るものをと思っております!ご希望に添えず申し訳ありません!! (2019年3月3日 19時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 名前変えれるようにしてください (2019年3月3日 16時) (レス) id: 14702f8eae (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - ゆりかさん» ありがとうございます!私の妄想にお付き合い頂き感謝で一杯です!完結まで頑張りますね(o^^o) (2018年11月30日 0時) (レス) id: 7d78c78304 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ika2424 | 作成日時:2018年11月10日 1時