つづき ページ24
文化祭は大盛況だ。当たり前だ。あれだけすごい人が来るんだから。
私はあの日以来頭から離れなかった彼らのことを詳しく調べた。
Twinkle Bell。そして、私の作品を見に来てくれると言ってくれたのは枢木皐月さん。
正直、アイドルには毛ほども興味のない私ですらあれほどすごいと思ったのだから本当にすごい人なのだろう。……まあ、それを知らなかったのは本当に私だけだったみたいだけど。
そして、彼は約束通り見に来てくれた。
「あ、この間の!」
「お久しぶりです。作品展はこちらで行っております。」
「相変わらずの無表情だな〜。ま、見てってやるし!」
皐月さんが案内をしてくれと頼むものだから、私も案内くらいならと了承し、一緒に作品を見ることになった。
「あんたのはどれなの?」
「まだ先です。私は2年生なので。」
「っえ、年上じゃん……」
ずっと同い年だと思ってたんだけど……!と小声でつぶやく皐月さんに、思わずふっと笑ってしまった。
「な、何笑ってんだよ!こんな時だけ笑うなし!」
「いや、私も幼く見られてたんだなと。」
「そこかよ!」
彼といるとすごく賑やかで……少し楽しい。
走行しているうちに私の絵の前までたどり着いた。
スランプを抜け出したあとの私は凄まじく、苦戦していた水彩も、二人を見た時描きあげた絵すらも完璧な状態で完成させ、当日を迎えられた。
「これ、オレたちなんだろ?なんか、ほんとにオレと睦月が踊ってるとこみたいだ……」
「最高の褒め言葉ですね。」
「……の割に笑ってなくない?」
「まさか。心からの言葉ですよ。」
少し膨れる皐月さんも、さすがアイドルと言わんばかりに様になっている。
「まさかこんなに絵が上手い人に描いて貰えるとか思ってなかったし!ちょっと嬉しいかも。」
「そうですか?皐月さんがいいなら何枚でも描けますけど。」
「……それマジ?」
冗談のつもりで返した言葉に、思いのほか真剣なトーンで返してきた皐月さん。弾かれるように顔を上げると、少し赤い顔をしていた。
「……こんな事言うのも柄じゃないけどさぁ……あー!もう、なんて言ったらいいかわかんないし!」
皐月さんは私の両手を包み込むようにして、私の目をしっかりと見つめた。
「今日!1人で見に来たのは、その……Aに二人っきりで会いたかったからだから!」
も、もういいだろ!次!と前を向いた耳と、私の顔は同じくらい赤かったことだろう。
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時雨(プロフ) - 返信が遅れてしまいすみません…!自己満足の塊を褒めていただけて嬉しいです!また、リクエストありがとうございます!朔空くんですね!必ず書きますのでお待ちください! (2020年12月2日 0時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - お話読ませていただきました!とても素敵な内容ですね!よろしければリクエストで 麗 朔空くんのお話を書いていただけないでしょうか…?ご検討の方よろしくお願いいたします! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 3121e4924c (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あんこ玉さん» 見て下さりありがとうございます!アイチュウの短編集少ないので書いちゃいました……!推しばっかり書いてますがリクエストも受け付けているので何かあれば気軽に言ってくださいね! (2020年9月13日 21時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ玉(プロフ) - わぁ、!!アイチュウの短編集だ!とっても面白いです!!更新頑張ってください!! (2020年8月20日 3時) (レス) id: d746c6a26c (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あいす(あづき)さん» こちらこそとんでもない自己満作品を好きと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります! (2020年7月26日 19時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2020年7月22日 0時