息抜き俺得短編集2【アイ★チュウ】

キスするまで出られない部屋【枢木睦月】 ページ3

(仕掛け人はLancelot)(というより双海くん)

どうもどうも。俺の名前は赤羽根双海。Lancelotの癒し系ニートだよ。
今日は友達である枢木睦月くんがぼそっとボヤいてた事を実現させてあげようと思います！いやぁ、俺ってば優しいなぁ。

事の発端になった睦月くんの発言っていうのがこれ。

「……最近Aにキスできてない……もう3日もしてない……したいよぉ……うぅ……」

なんとこれを言っていたのは練習の休憩中。その日の練習の時の睦月くんは例えるならワカメとかもやしとか。ひょろ〜っとしててふにゃふにゃだった。元気が無さすぎる。
彼女のいない俺からしたら心底羨ましすぎるお話だけど睦月くんにはAAちゃんっていう可愛い可愛い彼女(睦月くん談)がいるらしい。その彼女に睦月くんはぞっこんで、最近なんか口を開けば「皐月が〜」か「Aが〜」の2択。前まではしっかりした子だなぁと思ってたけど彼女が絡んだら見る影もなくポンコツになる。あの睦月くんをここまでポンコツにする彼女、一回見てみたいな……って思ったのも実は今回の動機の1つ。……あ！睦月くんを元気づけたいのはほんとだからね！？


「……あ、入ってきた入ってきた。皐月くん、鍵閉めお願い！」
『OK！どのくらいで出てくるかな〜♪』

2人が入ってきた直後、その部屋の扉の鍵が閉まった。

『え！？なんか鍵しまったんだけど……！？』
『そうなの？……ほんとだ。閉まってる。』
「あー、あー。睦月くんにAちゃん！」
『あ、双海だ』

声頑張って変えたのにすぐバレた。……結構凹む。
……って今はそんな場合じゃない！

「睦月くん、Aちゃん！10分以内にキスしないとこの部屋からは出られないよ！」
『え、そうなの？』
『……睦月くん、目が輝いてない？』
『気のせい気のせい！ほら、10分以内でしょ？早くキスしよ？』

……睦月くん手が早くない？さては好きな物先に食べるタイプだな？……いや気にしてないだろうなそういうのは……Aちゃんだからこんなに手が早いのか……

俺が悶々としてる間にヘッドフォン越しに聞こえた小さいリップ音。……みんな、聞いて？入ってまだ1分半しか経ってないんだよコレ。

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