息抜き俺得短編集2【アイ★チュウ】

3人でずうっと【双子誕生日(大遅刻)】 ページ16

こちら大変特殊な設定となっております。
夢主は片一方ではなく"2人の"恋人ポジです。全くもってドロドロではありませんがご留意ください。

今日は彼氏の誕生日。……と言っても、彼氏は2人いる。その2人は双子で、幼なじみだ。
そもそも2人の恋人になる予定は全くなく、いつも通り3人で話してたらとんとん拍子で「3人で恋人」ということになってしまったのである。

「皐月くん、睦月くん。お誕生日おめでとう。」
「サンキュ、A！」
「えへへ、ありがとう。」

両側からぎゅうっと抱きしめられる。双子だけあって、タイミングは全く同じ。2人の力に押しつぶされそうになるけど、暖かさはダイレクトに伝わってくる。

「恋人同士になってからは初めてのお誕生日だね。Aも皐月も一緒にいる誕生日なんて嬉しいなぁ。」
「オレも！Aに祝ってもらってるのはいつもの事だけど、恋人になってからは初めてだし！」
「……やけに恋人って言うところを強調するね。」

私がぽつりとそう呟くと、2人ともキョトンとした後で続ける。

「え、何言ってんの？Aはオレたちの恋人だろ？」
「そうそう。というか俺たち小さい時からずーっとAのこと好きで、ようやく付き合えて嬉しいんだもん。」

そりゃあ強調するよねぇ、と睦月くん。その間も睦月くんによしよしと頭を撫でられ続ける。満足気に笑うのはいいけど、なんだかムズムズする。

「あ、そうだ！睦月確かケーキ作ってたよな？」
「うん、作ってるよ〜。Aと一緒に食べるために作ったの！」

睦月くんは足早に冷蔵庫まで行くと、美味しそうなチョコケーキを取り出す。さすが、料理上手なだけあってケーキもとても美味しそうだ。

「えへへ、Aも一緒って考えたらいつもより張り切っちゃった。」
「……すごいね、睦月くん。私よりもうまいかも……」
「そう？じゃあ結婚した時のご飯係は俺ね。」
「じゃあじゃあ、洗濯はオレがやる！」
「わ、私は……何やろうか……」

ケーキを食べつつ何となく話していると、この2人は生活力がそこそこ高いので私の必要性がなくなる気がする。ぼそっと呟くと2人の目がきらりと光る。あ、なんか嫌な予感がする。

「そりゃあ……ね、結婚した時に奥さんと旦那さんがやることって言ったら……ね？」
「……何考えてるかはだいたいわかるけどさ、まだ気が早いよ？」
「えー、オレ達もあと1年したら結婚できんだけど？」

……そうだ、この2人は今日で17歳なんだっけ。

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