つづき ページ15
思い出した。朝、私が出かけようとしたらこの時間に珍しく睦月くんから電話がかかってきたんだった。出ると「あれ、A?ごめん……プロデューサーにかけようとして間違えちゃったみたい。」って返されて、その後切られたんだった。それで気が散っちゃって玄関にお菓子を置いてきちゃったんだ。……もしかして睦月くんもグル……?
「……あ……のさ。皐月くん。」
「んー?」
ニコニコ。その先に待つことがわかっているような皐月くんの笑顔。私は恐ろしくてたまらなかったけど、勇気を振り絞って続けた。
「……お菓子忘れてきたかも……」
「へぇ?なんで?今日ハロウィンって知ってたよな?」
一気に皐月くんから不機嫌オーラ。明らかにムッとした顔になる。
「朝、睦月くんから電話がかかってきて……それで多分忘れちゃっ……」
途中まで行ったところで、後ろにあった壁に押し付けられた。いわゆる壁ドンというやつだ。
「……ふーん。怒られてんのにほかの男の名前出すんだ?ぜーんぜん反省してないじゃん。」
「そ、そんなことないよ!反省してる……!」
「ほんとに?じゃあさ、ほんとに反省してるんだったらAの方からオレにキスしてよ。」
予想外の展開に面食らう。目の前の皐月くんは不機嫌だった先程とは打って変わって楽しそうに目を細めている。
「あ、もちろん口にだからな?それ以外だったら何回でもやり直しさせるから。」
「う……わ、分かった……」
恥ずかしいので、目を閉じて精一杯背伸びして皐月くんにキスをする。……が、口を離そうとすると後頭部を押えられて止められた。そしてそのまま、そっと舌を差し入れてきた。
「ん……」
突然のことに戸惑い、息が苦しくなってくる。皐月くんの腕をとんとんと叩いて苦しいことをアピールすると、離してくれた。
「はぁ……はぁ……う……そういうのは、言ってからにしてよ……っ」
「言ってからだとイタズラになんないだろ?それにさ、お菓子忘れたのはAの方だし!あーあ。オレAのお菓子楽しみにしてたんだけどな〜」
「……とか言いつつ、LIMEではイタズラする気満々だったでしょ。」
「いっしし、当たり前だし!AがLIME読んでくれないからだぜ。」
「だからあれは寝てたからで……!」
反論すると、またキスをされた。
「今日はいっぱいイタズラしかけてやるから覚悟しとけよ?」
ああ、今年のハロウィンも忙しくなりそう。
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時雨(プロフ) - 返信が遅れてしまいすみません…!自己満足の塊を褒めていただけて嬉しいです!また、リクエストありがとうございます!朔空くんですね!必ず書きますのでお待ちください! (2020年12月2日 0時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - お話読ませていただきました!とても素敵な内容ですね!よろしければリクエストで 麗 朔空くんのお話を書いていただけないでしょうか…?ご検討の方よろしくお願いいたします! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 3121e4924c (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あんこ玉さん» 見て下さりありがとうございます!アイチュウの短編集少ないので書いちゃいました……!推しばっかり書いてますがリクエストも受け付けているので何かあれば気軽に言ってくださいね! (2020年9月13日 21時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ玉(プロフ) - わぁ、!!アイチュウの短編集だ!とっても面白いです!!更新頑張ってください!! (2020年8月20日 3時) (レス) id: d746c6a26c (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あいす(あづき)さん» こちらこそとんでもない自己満作品を好きと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります! (2020年7月26日 19時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2020年7月22日 0時