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むぎゅう【枢木睦月】 ページ2

中学時代の睦月くんと夢主ちゃんです。

お隣の席の男の子はよく寝る子。毎時間すぴすぴ寝ては放課後に隣のクラスの弟くんがお迎えに来て帰る、みたいな感じで。
席が近いのでどうにも気になって仕方がないし、先生も私にどうにかしてくれという視線を送ってくるので毎度起こしたり移動教室は手を引っ張って連れて行ったりしている。

そんな中、私が委員会の仕事から帰ってくると珍しくその子……枢木睦月くんは起きていた。

「枢木くん、今日は起きてるんだね。」
「……あ、Aさん。」

それでもさっきまで寝てたような声のトーンだったけど。枢木くんはよたよたと私の方に歩いてきて、私の前で立ち止まるなりぼんやりと私を見た。
そして、私に向かって手を伸ばして……

「…………」
「え、枢木くん!?」

むぎゅっ。思い切り私を抱きしめた。そしてそのまま首の辺りの匂いをすんすんと嗅ぎ始める。

「え、え、あ、え??」
「ん……いいにおい……」

ぽやっとした声のトーンではあるものの、やってることは相当恥ずかしい。私も年頃の女の子だからそういうのは意識してしまう。

「ちょ、ちょっと離れて枢木くん!!」
「……ん。あと、ちょっと……」

そう言い残し、枢木くんは寝こけてしまった。


あれから恥ずかしさが勝ってしまい枢木くんと目が合うだけで恥ずかしくなって目や顔を逸らしてしまうようになってしまったわけだけど、感じ悪く思われてないかな……実はそれだけが不安だ。


「……いいにおい、だった……」

ドキドキが収まらない。皐月とはまた違う、やわらかい肌の感覚。ふにっとした体の感覚。そして何より心地のよい香り。全てが初めてで、ドキッとした。けど、何よりも落ち着いた。ヘタしたら皐月とハグする時よりもっと落ち着くくらい。
寝ぼけてやっちゃったけど、ちょっとだけ得した気分だ。
でも、やっぱりやっちゃったっていう感情が強くてAさんを見る度に少し恥ずかしくなっちゃう。ドキドキしちゃう。……はじめて。
いつか名前で呼んでみたいなぁ、なんて。恥ずかしいから言えないけど……

キスするまで出られない部屋【枢木睦月】→←注意事項



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時雨(プロフ) - 返信が遅れてしまいすみません…!自己満足の塊を褒めていただけて嬉しいです!また、リクエストありがとうございます!朔空くんですね!必ず書きますのでお待ちください! (2020年12月2日 0時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - お話読ませていただきました!とても素敵な内容ですね!よろしければリクエストで 麗 朔空くんのお話を書いていただけないでしょうか…?ご検討の方よろしくお願いいたします! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 3121e4924c (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あんこ玉さん» 見て下さりありがとうございます!アイチュウの短編集少ないので書いちゃいました……!推しばっかり書いてますがリクエストも受け付けているので何かあれば気軽に言ってくださいね! (2020年9月13日 21時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ玉(プロフ) - わぁ、!!アイチュウの短編集だ!とっても面白いです!!更新頑張ってください!! (2020年8月20日 3時) (レス) id: d746c6a26c (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あいす(あづき)さん» こちらこそとんでもない自己満作品を好きと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります! (2020年7月26日 19時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作成日時:2020年7月22日 0時

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