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『 osm_38 クラスのやつ出らんの？ 』
夜、就寝前になって不意に鳴った通知音に身を起こす。
インスタから……宮くんからのメッセージ通知だった。
最近になってさして大した話題もなく、自然と頻度が減っていた。
特段どちらというでもなかったため気に留めてもいなかったが、気を遣われているのかもしれないとは思う。
寝る前にスマホをいじるのはあまりよくないとは思ったが、どちらかというと多少の罪悪感でリンスタを開いた。
『 hmtk1125 まだ迷ってる！宮くんは？ 』
『 osm_38 俺も迷っとる笑 』
『 hmtk1125 部活あるの？ 』
『 osm_38 ある。吹部もある？ 』
『 hmtk1125 あるよ！しかも講習会なんだ 』
『 osm_38 それ何すんの 』
『 hmtk1125 ちょっと説明難しいんだけど、勉強会とか研修とかみたいなイメージ？ 』
『 osm_38 大変やな笑 』
『 hmtk1125 楽しみではある笑 』
指が液晶上のキーボードをなぞっていく。
リアルではないため周りの目もなく、顔を合わせるわけでもないから幾分話しやすく、何の気なしに「宮くん来たらみんな喜ぶよ」と打ち込み、送信しかけたところでやめた。
こうしてしている液晶越しでの会話は、危ういと感じる場面が多い。下手なこと言いかけたなぁと心で反省しながら文字を消していった。
こんなの送信したあかつきには何言ってんだコイツオブザイヤーの受賞は間違いなかっただろう。
『 osm_38 文月さん出らんのなら俺もやめとこうかな笑 』
一瞬思考が停止する。
キーボードに伸びていた指を引っ込め、今しがた送られてきた爆弾発言を二、三回反芻するように読み返した。
本当に宮くんなんだろうか、とすら思う。
なんだかわからない人だなぁと、私は違和感を残さない程度の返信時間になるよう慌てて続く言葉を打ち込む。
『 hmtk1125 なにゆえ笑 』
『 osm_38 なんとなく笑 』
『 hmtk1125 何じゃそれ笑 』
……限られた二十秒弱で私の脳が必死吐き出した当たり障りない言葉の最適解は確実に妙な間を生んだわけだが。
まあ極端にものすごく奇妙な会話ではないのでよしとしよう。
なんだろう、誰にも懐かない野生動物がなにかのきっかけで奇跡的に人間に近付いてきた、みたいな。そんな気分。
別に悪い気はしない。野生動物だって、見ているぶんにはずっと可愛い。何だったとしても。
ただ、噛まれないうちに限るのだ。
その一線は深く、遠く感じた。
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エコ - かなけんさん» 感想ありがとうございます。メチャクチャに嬉しいのですが、この感動を言葉に表すに足る語彙力がないので、うまく伝えられなくて申し訳ないですが、本当に本当に嬉しいです。スクショしてにやにやするぐらいです。遅筆ではありますが、これからもよろしくお願いします。 (2022年3月28日 23時) (
レス) id: 3464e68ae3 (このIDを非表示/違反報告)
かなけん(プロフ) - めっちゃ好きです！！毎回更新されるの楽しみすぎます！！💞 (2022年3月27日 22時) (レス) @page19 id: 4ee55b59ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エコ | 作成日時：2022年3月13日 23時
