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週明け。
月曜からまあ何とも気分が下がる話だが、全校朝会が予定されている。
普段の朝会だったなら、朝練もない一日の始まりをゆっくりと過ごし、普段より三本も遅い電車に乗り込むのだが、その日は訳がちがった。
壮行会だ。
もうしばらくすると大抵の運動部が夏の大会に行くということで、毎回のことだが、吹奏楽部が激励を込めて演奏をすることとなっている。
たった五分前、開始ギリギリになって慌ただしく規定の位置へ着いた(生徒指導は眉根を寄せたが、顧問の先生が一睨みしたところ一気に真顔になった)。
ともかく、あとは出番を待つばかりだ。
ちなみに「吹奏楽部にも是非壮行会を開いていただきたいもんやな」とは先輩の談である。
実際運動部とは日がズレた吹奏楽部は、悲しきかな誰に激励されるでもなく出発することが常であった。
「私たちも大会前やっちゅうねん」と悪態をついたのは部長。
大会メンバーを除く部員たちは前々から計画的に練習を進めていたが、大会メンバーは急ピッチで今日壮行会用の演奏を仕上げることとなったのだ。
これも毎回のことなのだが、この慌ただしさは慣れることがない。さすがに私も今朝のことを思い出すと少しだけ肩が重くなる。
「静かにしなさい」
そんな、ぶぅぶぅと文句の止まらない先輩たちを殊勝な態度で注意する先生の口元は、妙ににやけている。
大丈夫かなこの部活、と思わず苦い表情になった。
「でも搬入のとき、用務員さんが応援してくれるじゃないですか。プチ壮行会ですよ」
「ポジティブやなぁお前」
「先輩はちょっと屈折してます」
「何やと」
先輩が何とも的確につむじをまっすぐ押し込んでくる。つまり下痢ツボなのだが。
周りにバレないように小声で痛みとかパワハラとかを訴える。
すると、とどめを刺すように部長のチョップが私の頭にめり込んだ
「そこのclパート、イチャイチャすな。黙っとれ」
好き放題された頭がジンジン痛むが、何か言おうものなら次はゲンコツをいただきそうなので、先輩と目を合わせて黙り込んだ。
そうしてしばらく楽譜を眺めていると、ついに進行役の教頭が部長に話を振る。
彼女はさっきチョップしてきた人とは別人のようになって、ユニフォーム姿で壇上に並ぶ人たちへエールを送った。
でも。
私は、頑張れ、と思えば思うほど、同じように自分も応援されている気分になる。
こんなこと言ったら、また先輩に「健気やねぇ」と鼻で笑われるのだろうけど。
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エコ - かなけんさん» 感想ありがとうございます。メチャクチャに嬉しいのですが、この感動を言葉に表すに足る語彙力がないので、うまく伝えられなくて申し訳ないですが、本当に本当に嬉しいです。スクショしてにやにやするぐらいです。遅筆ではありますが、これからもよろしくお願いします。 (2022年3月28日 23時) (
レス) id: 3464e68ae3 (このIDを非表示/違反報告)
かなけん(プロフ) - めっちゃ好きです！！毎回更新されるの楽しみすぎます！！💞 (2022年3月27日 22時) (レス) @page19 id: 4ee55b59ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エコ | 作成日時：2022年3月13日 23時
