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うん、まあ。かなりいいくじを引いた、と思う。いや、より正確に言うと、私はそう思っていたい。
不満は正直強いて言うと、みたいなレベルで、極限にめちゃくちゃ困るようなものじゃない。
しかし、個人的な不安因子は、後ろの席であった。
つまり、そう……
––––……スナくんが、私の後ろなのだ。
彼はくじ引きの時点では比較的前の席だったが、その身長は生徒の視界を塞ぐには十分だ。教室の端に追いやられた結果、たまたま私の後ろになった。
いや、別に。うん。まあ、良い。
「文月さん、俺には？」
「……ウン、ヨロシク」
なんか、思ってるよりだいぶ話しかけられるってだけで。
「この席、当たりかも」
「まあ、オセロだととりあえず取りたい場所だもんね」
「そうだね」
「今鼻で笑ったね？」
スナくんとはまったく絡みがなく、今年になってから初めて話した。
まあ、女子人気があるから私は一方的に彼を認識していたけれど。
しかし同じクラスになってから、私の何が彼のツボの琴線に触れたのか、時折話しかけてくれるようになった。
突然すぎて本当に驚いたし戸惑ったし、これスナくん本人？って疑った。去年の時点では、女子に話しかけるイメージじゃなかったから。
そういうわけで初期の方は女子からの視線はやや痛かったが、私たちの距離感があまりに『子どもが新しく買ってもらったオモチャ』のそれに近いからか、最近は微笑ましく生温かく見守られている。なんでなのか。
「笑ってないよ、ほら」
突然スンとした真顔でこちらを見るスナくんの表情を横目に、ああやっぱり読めない人だなあと思う。言葉を選ばないなら、変な人。
「ほんとだ……」
真意がわからないから、うまく対応できない。
かなり高確率でからかわれているというか、遊ばれているんだろうと思うけど。
「ほんとだ」
「それ、私の真似？」
「うん。似てる？」
「インコ八割私二割ってかんじかな」
「結構評価高いね」
「それすごいポジティブなのか遠回しに私の悪口言ってるのか、どっちなの」
前言撤回しよう。確実に遊ばれている。絶対を言い切れる。
まあ、うん。退屈しない席って思えば、いい……の、かなぁ。
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エコ - かなけんさん» 感想ありがとうございます。メチャクチャに嬉しいのですが、この感動を言葉に表すに足る語彙力がないので、うまく伝えられなくて申し訳ないですが、本当に本当に嬉しいです。スクショしてにやにやするぐらいです。遅筆ではありますが、これからもよろしくお願いします。 (2022年3月28日 23時) (
レス) id: 3464e68ae3 (このIDを非表示/違反報告)
かなけん(プロフ) - めっちゃ好きです！！毎回更新されるの楽しみすぎます！！💞 (2022年3月27日 22時) (レス) @page19 id: 4ee55b59ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エコ | 作成日時：2022年3月13日 23時
