素直になれない僕たちは。 (ページ7)

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76「知っているような気がする」ページ7

トウマside

「あの…！」

僕は誰かに話しかけた。
Aさんと入れ替わっている誰かに。

『ん…？お前、あいつ等と一緒にいなくていいのか？』

誰かはちらりとナツメたちのほうを見た。
先にジバニャンのほうにナツメたちには向かってもらっている。

『ま、俺にとっちゃどうでもいいんだけど』

この人物。
僕は知っているような気がする。

何故、如何して。
疑問は浮かぶが、何故か知っているような気がするんだ。

『お前、何でこっちに来たんだ？』

その問いに僕は答えられない。
なんとなく…じゃ駄目だと思うから。正直自分でも何でここに来たのかわからない。

『まぁ…。どうでもいいか』

そっけなく言った。

「あの…、何で貴方はAさんと入れ替わったんですか？」

『俺から望んだことなんかじゃねぇよ』

望んだことじゃない。
望んだわけじゃない。きっとお互いにだろう…。なのに、何故…？

『もしかしたら、昔のことが関係しているのかもしんねぇけどなァ』

「昔のことって…。何ですか…？」

『話す気はねェ』

話す気はない。もしかしたら…、つらい思い出なのかもしれない。
そう思えば、聞く勇気なんて僕は持てなくなってしまった＿＿＿＿。