素直になれない僕たちは。 (ページ5)

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74「真魔」ページ5

『真魔…か』

空より現れる真魔たち。
空亡のやつの手下みたいなもんだったっけな…。

生憎、記憶があいまいで。
なかなかにイライラしている。

「あ…、貴方は…」

鬼妖怪が昨日助けた少女。
「朱夏」の生まれ変わりの。どうやら言葉を発したことで気がついたらしい。

『あぁ…、今は澄朧って名前だってな』

「じゃあ…、貴方がこの前私を救ってくれた…」

ツインテールの美少女。多分、女郎蜘蛛にとり憑かれてたやつだろう。

『あぁ…。その通りでありその通りじゃない』

「どういうことですか！？」

『ま、アイツの好奇心であり。俺の気まぐれってヤツかな…』

そんな話をする中、一人俺をただ見つめて何にも話さない人間がいた。
なんだか…、わかんねェがあったことがある…気がする。そして、好奇心旺盛なデブとも。

『俺は今回は協力する気ねぇぜ』

「何でだよ！？」

『お前らの勝手だろ？俺にとっちゃ世界が滅びようと滅ばまいとどうでもいい事なんだよ』

〈お願いだから、力を貸してあげて！〉

めんどくせェよ。貸すわけねェじゃねェか。
そう思う気持ちもある。だけど、助けたいという気持ちもある。

「そう…か」

急ぎ人間たちから走り離れた。
離れるべきじゃない…ってわかっているのに…。