81「背中合わせの」 ページ12
普段ならこんな事できないのだけど、トウマが軽いのか。もしくはもう一人のお陰なのか。
同級生を背負えたことに少し驚きを隠せない自分がいる。
バサバサと羽音をたて、ナツメたちの元に着地する。そしてトウマを肩から降ろす。
『ごめんなさい…、さっきは…』
私は深くナツメたちに頭を下げた。
「いいんだって!気にしないで!タメ口で良いし!」
ナツメはニッコリと笑った。
でも…、こんな事何処かで…。何だか胸につっかえる。
「そんな事より皆さん!あれを見てください!」
指差された
「ジバニャン、やめて!」
コマじろうと思われる妖怪と、ミッチーと思われる妖怪に襲いかかろうとしているジバニャンにナツメは言い放った。一応、妖怪探偵団について調べたりとかしたから大体の名前はわかる。
「アァ?」
ジバニャンは振り返る。
目が赤く染まりあがったジバニャンが。
「ジバニャン…?」
「シャーッ!!!」
ジバニャンがナツメに襲いかかってくる。
が、寸前のところで何とか助かる。ウィスパーと思われる方が救ってくれた。
「ナツメ!!」
『大丈夫…?』
「ジバニャン…。私がわからないの…?元に戻って!ジバニャン!!」
問いかけても元に戻る様子はなく。
真魔って恐ろしいなと改めて感じる。なんとなくもう一人が言っていたから知っていたけど。
気がつけば、「オォォ…!!」と背後から真魔が襲いかかってきていた。
「ナツメに近づくんじゃねぇ!!」
力強い声とともに妖術を放った少年。確か、名前はアキノリ。
その妖術で真魔たちを撃退。
「後ろは僕たちが守る」
『うん…?あぁ…?』
未だに口調がよく掴めない。
でも、何かあぁのほうがしっくりくる。
「ナツメはジバニャンを…」
アキノリがそう言ったときである。
急にあたりが光り輝いて、私たちのいる位置各々に別の誰かがいた。
一瞬にして、それは終わる。
よくわからなかったが、黒いマントだけは確かに肩にかかっていた。
ナツメのところには赤い美しい女性。
トウマのところには見覚えのある男性。
アキノリのところにはがたいのいい男性。
まるで過去のワンシーンを映し出したようだった。
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