素直に言えない真実は朧に隠されて。

68「Thank you」 ページ35

温羅side

「ロウは頑張り屋さんだったよね」

「で、Aは明るかった」

「懐かしいねぇ…」


今、思えばこんな僕を受け入れてくれたのは彼らが最初だった。
「ありがとう」の一言だけじゃ伝わらないぐらい、彼らには感謝している。

彼らがいなければ、今の僕は存在しないだろう。
自分の過去について、話したのは彼らだけなんだ＿＿＿。




「僕」が「僕」な訳を話したのは＿＿＿＿。









「鬼族」でありながら女だった。
だから、なめられてくなくて「僕」になったんだ＿＿＿＿。


なめられ続けてきて、嫌だったんだ＿＿＿。


もし、彼らがいなかったら自分は今やっていけていないと思う。


妖魔界から帰ってきて、泣いていた「僕」に声をかけてくれたのがAで、一緒にいたのがロウだった。


彼らがいなければ、今の私は存在しない。きっと、あそこでめげていただろう。
ありとあらゆる事にかかわるのを拒絶するようになっていただろう。


だから、「ありがとう」の言葉じゃ伝わらないぐらい感謝してるんだ＿＿＿＿。

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