＊プロ野球＊ ~短編集~

93年会 F49 ページ14

F49













別れは突然やった














国頭キャンプ中、練習終わりにフロントの人達に呼ばた












なんか俺やらかしたかな…なんも思い当たらへん。








「石川くん急でこんな事言うのもすまないが巨人へのトレードが決まった」



















『えっ！？ほんまですか…』















静かに頷くフロントの方














あぁ本当なんや静かに状態を受け止める























話が終わり部屋に戻った












コンコンとドアをノックする誰か













「おい慎吾ー開けろや」











上沢だ












ドアを開けそこには剛と上沢がいた












『なにお前涙目なん笑怒られたんか？』



















「聞いてやぁ〜俺トレードやって〜最初聞いた時冗談キツイはって思ったんやけどさ」










無理やり明るく言ったが本当は胸がいっぱいいっぱいだった












『ん?ドッキリかなんか？？』










目を丸くして聞いてくる剛












『お前そんな冗談言われたって笑えねーわ』











冗談だろと言って笑ってその場を済ませようとする上沢










「いやほんまなんやって…」











『なんでそんな急に…』










「わからんて俺も …」











俺だってこの時ばかりは涙が止まらんかった

















「慎吾どうしたの〜」













こんな弱いとこ見られたくない













「上沢にいじめられた〜」











『はぁ！？お前言え』















「いや今は無理やって…」















彼女もなんかあったというのを何となく分かったようで













「じゃあ後でゆっくり聞かせて」














そう言って戻っていってしまった
















「俺たちさ離れても...」

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