13話目 ページ14
｢そろそろ離れろよ...｣
｢...もうちょっと｣
｢ったく、しゃーねぇな｣
優ちゃんはそう言って、また私の頭をポンポンと撫でる
言葉は少し乱暴だが、優ちゃんの手はとても優しく、とても安心する
優ちゃんは４年前に唯一生き残った、私のたった一人の大切な家族
あの日から私は家族の為だけに生きてきた
もう二度と家族を失わないように、私は優ちゃんを守れるよう、血のにじむような努力をしてきた
どんなに辛くても、優ちゃんの為だと思うと頑張る事ができた
私はもう2度と大切な家族を失いたくない
あの時...私には力がなくて何も守れなかった
大切な、なにがあろうと絶対守ろうと思っていた家族を殺されていく所を私は何もできず、
ただ家族が殺されていくところを見ていることしかできなかった
もし、あの時私が動くことができたら...家族を1人でも守れたんじゃなかったのか
何年経っても、胸が抉られるような悲しみと、強い強い後悔の念に苛まれる
―もう二度とあんな思いをしたくない
家族を守るためなら...私は――
｢ーちょ、待っ((A))締めすぎだ
ｯ｣
｢ーうわっ！ごめん優ちゃん...！｣
慌てて優ちゃんから離れる
私はいつの間にか優ちゃんを強く抱きしめすぎたみたいだ
優ちゃんは苦しそうに、少し咳をしている
申し訳ない感が半端じゃない
｢―ｯたく...ほら((A))帰るぞ｣
優ちゃんはそういって私に手を差し出す
｢...うん｣
私は優ちゃんの手を取り、ゆっくりと歩き出す
｢そうだ優ちゃん、もう遅いし私の部屋に来る？
晩御飯食べないと｣
｢おう！｣
晩御飯か...なにがいいかな？などと、晩御飯のメニューを考えていると
｢なあ｣
｢うん？｣
｢今日の晩御飯は焼そばがいい｣
｢わかった、野菜多めにしとくね｣
｢はぁ！？お前、俺が野菜より肉の方が好きってしってるだろ！｣
｢野菜も食べないと強くなれないよ｣
｢お前だって、トマト食べれないくせに！｣
｢私は別にいいの｣
｢はぁ？なんだよそれ！｣
優ちゃんの手を繋いで、軽い言い合いをする、そんな何気ない日常が、私にとっては何よりもかけがえのないもので守りたいものだ
｢ねぇ...優ちゃん｣
｢？なんだ？｣
｢...何でもない｣
｢なんだよそれ...｣
優ちゃんはすこし呆れた顔をする
私は優ちゃんの手をほんの少し強く握り直す
こんな日常がいつまでも続いたらいいなと、私は心の中で呟いた
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れい(プロフ) - まゆさん» まゆさん返信が遅くなってしまいすみませんでした！コメントありがとうございます！亀よりも遅い更新ですけど待っていただけるとありがたいです。応援ありがとうございます！ (2018年2月15日 15時) (
レス) id: cd89a87204 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年12月16日 23時) (レス) id: 8c0a96a096 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ルカさん» ルカさんコメントありがとうございます！大好きと言ってもらえて本当に嬉しい です！最近色々と忙しくて更新出来なくて申し訳ないです。応援して下さっている皆さんの為にも頑張っていきたいと思っていますので、気長に待って頂けるとありがたいです。 (2017年8月1日 22時) (レス) id: cd89a87204 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - この作品大好きなので、更新頑張ってください！ (2017年8月1日 21時) (レス) id: 71abb433c8 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - プラリヒさん» 吸血鬼さん達との絡みももちろん書いて行きたいと思っています！でも私の小説って話の進みが遅いと言いますか…気長に待ってもらえるとありがたいです(笑) (2016年7月2日 12時) (レス) id: e6042d6074 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れい | 作成日時：2016年4月6日 10時
