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文化祭一週間前
当日に着る衣装を着てみた。
全体的に、薄い緑が基調。あとは学年カラーの青が散りばめられている。
ジュリエットが被るキャスケットのような帽子には、椿があしらわれている。私の好きな花だ。
ドレスの裾が長いから、お姫様にでもなった気分。
「やだー!Aったら可愛いーっ!すごく似合うよー!」
「もー。お世辞はやめてよねー」
ドレスは確かに可愛いが、自分に似合うかはわからないものだ。鏡を見てもピンと来ない気がする。
「みなさーん!ロミオが出来上がりましたよーっ!」
浸ってると、実行委員の男子が、元気な声で呼びかける。
「わっ、ちょ、押すなよなー!」
「いいじゃんかー!どーせ完成度高いんだからさー!」
引っ張られつつ入ってきたロミオは、青ベースの服を着ていた。定番のスタイルだ。
すっごくかっこいい……。
見とれてたら、翼は目を見開いてこちらを見た。
「か…かわっ…た出来栄えだなー!馬子にも衣装ってか?」
この露骨な挑発により、彼が「かわいい」と呟きかけてたのは把握出来た。こんな素直じゃない言い方でも、好きな人がそう思ってくれるのは嬉しいものだ。
だが、ここはあえて挑発に乗ることにする。
「何よ!ドレスくらい褒めたっていいじゃん!こんな失礼なロミオ、私なら死んでもゴメンだわ!」
「悪かったな!もっとかっこよく生まれてくればよかったな!!」
その後は、あまりにも言動が子供じみていた。
同級生や先生は、ロミオとジュリエットのケンカは予想できていたのか、何も言わずニコニコしているだけだった。
そして、その後私たちは、ちゃんと仲直りしました。
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作者名:PAYA☆ | 作成日時:2018年4月20日 23時