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「これから、文化祭の出し物決めまーす」
文化祭委員がそう言った。もうそんな時期か。高三ともなると、時間は早くすぎるものだ。
うちの文化祭の出し物は、実際に料理を作る調理部門とエンターテインメント部門、既製品を売る販売部門、そして料理を作った上でエンタメ要素を混ぜてくるミックス部門の四部門に分けられる。
うちはエンタメ部門となった。
決まったはいいが…問題はこのあとだ。何をやるのか。
「と思ったが、またこれもあっさり決まってしまった…」
「翼、アテレコしないで。まだ始まってすらないんだから」
やけに楽しそうな翼が、今度は後ろから話しかけてくる。
実は、この間席替えしていたのだ。前までは隣だったが、今では後ろに彼が座っている。
本当は逆だったが、彼の背が大きすぎて黒板が見えないため、交換してもらった。それでこうなっているのである。
それはともかく。
「てへっ☆」
「うわぁ、キモい…」
「ほっとけ。自覚ぐらいあるわ」
なんてやり取りを小声でしてたら、クラスメイト達全員がニヤリと笑ったのが見えた。
出し物は、委員の一人の鶴の一声で決まった。
「あの二人を主役にして劇とかどうでしょう!」
私たちは、これ聞いて絶句した。
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作者名:PAYA☆ | 作成日時:2018年4月20日 23時