嫌いじゃなくて、好き。【名前変換オリジナル】 (ページ11)

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あの後菜月は自分のブースに戻ったので、私たち二人は将に連れられて、美術部ブースに来た。

「うわぁ！美術部って、こんなことしてんの！？」

「ハイクオリティにも程があるだろ！」

目の前には、手作りアクセサリーがずらり。男性でも楽しめるデザインのものがちょいちょい混じってる。

「気に入ると思ったよ」

何故か将はこちらを見て言っていない。その視線を追うと、翼がいた。

彼はアクセサリーを食い入るように見て、しかも売り子の女子にずいずいと迫っている。

見たことないくらいキラキラした目で。

「なあ澪(みお)！これいくらする？」

「えっ、翼ちゃんったら誰に買うの？私？」

「違うって！資料用に買うんだよ！これ使ったコーデとかしてみたいじゃん！」

ちなみに、片手にはイヤリング、片手にはヘアピンが握られていた。

この光景を疑問に思った人のために説明しよう。翼の趣味はオシャレなのだ。

初めて彼の家に行った日も、水族館に行った日も、修学旅行の時もそうだった。様々な服で、ダサいとは程遠い着こなし方を披露している。

特に修学旅行では、服にピッタリのアクセサリーを選んでる時が一番楽しそうだったっけ。