兼さん ページ3
あの後、鶴丸はなんとか別のバイト先が決まり、問題も起こさず真面目にやっているようだった。そして昨日、うちにもとうとう脇差ックスの面々がやってきた。何？ 篭手切江？ 誰それそんな子実装されてないよ(白目)
脇差の6人が来てから、家事の進みが格段に良くなった。掃除も洗濯も、ひいては短刀達の面倒まで見てくれるので、皆助かっているようだった。しかし、一つだけ問題が。
堀川「兼さんはどこですか？」
堀川「主さん、兼さんは一体いつになったら来るんですか？」
堀川「ｶﾈｻﾝｶﾈｻﾝｶﾈｻﾝｶﾈｻﾝ」
これだよ←
四六時中和泉守の名前を口にする堀川くんは異常だけどそれが正常なのであって……だめだもう頭おかしくなっちまう。何としてでも自分の脳ミソを守らねば。
『堀川くーん』
堀川「はい！ どうしたんですか？ もしかして兼さんが来たんですか！？」
『あ、いや、来てはいないけど、兼さんの話ではあるね』
堀川「はぁ……なんでしょう？」
ため息つきやがったなコノヤロウ。
『堀川くんさ、いつも兼さん兼さんって言ってるじゃん？』
堀川「？ はい、僕は兼さんの相棒で助手ですからね」
『でさ、兼さんが来てくれるようにする方法として、名前を言わないようにするっていうのはどうだろう』
堀川「えぇ！？」
『そしたらさ、兼さん、寂しくなって出てくると思わない？』
堀川「確かに……では、少し気をつけてみます！」
『うん、その意気だよ！』
こうして、私の脳ミソは辛うじて守られた。
そしてなんと、堀川くんが和泉守の名前を呼ばなくなったちょうど一日後のことだった。
和泉守「俺は和泉守兼定。格好良くて強ーい、最近流行りの刀だぜ」
マジですか。
でっち上げただけだったんだけどな。
堀川「兼さん！！」
和泉守「おー、国広ー！ お前もここに来てたんだな」
堀川「うん、ずっと待ってたんだよ？」
和泉守「そりゃあ寂しい思いさせちまったなぁ」
堀川「兼さんこそ、寂しかったから来てくれたんでしょ？」
和泉守「うん？」
何はともあれ、めでたしめでたし。
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作者名：あほうさぎ | 作成日時：2019年2月18日 16時
