ハッピーエンド ページ23
イデアはその翌日、グラウンドにいた。
夏の太陽がジリジリと肌を焼く。
一ヶ月もタブレットでさえ授業に出席しないのは単位が危うく、出てこざるを負えなくなった、飛行術の授業。
箒にまたがりながら、監督生の声が脳裏に浮かんだ。
『私ほうき乗ってみたいな。夢だったんですよ！』と。
ぎゅぅ、と胸が痛む。
もう一度、彼女が自分を呼ぶ声を聞きたかった。
こんなことを考えても仕方がないと、イデアはむりやり思考を切り替えた。
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「....！...！？」
「....！」
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なにやら周りがざわざわと騒がしい。
意識が現実に引き戻され、辺りを見ると、みな上を見ている。
なんだと思って上を見上げる、という瞬間。
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「＿＿＿イデア先輩！」
「え、」
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優が真上にいた。
いや、落ちていた。
ドクン、と心臓が跳ねる。
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「＿＿って、ギャァ！？！？」
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なんで、と思う前に、凄まじい音と衝撃。笑い声が響いた。
頭を地面に打った。
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そんなことも気にせず、イデアは顔を上げた。
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「あだだ...あはは！」
優がイデアの体の上に倒れながら笑った。
イデアは口をパクパクさせるだけで、声が出ない。
すると上空から、「おい監督生！大丈夫か！？！？」という声とギャハハ！という笑い声空に響いた。
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「えへへ、イデア先輩、久しぶりです！」
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優は照れくさそうに笑いながら元気な声で言った。
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「え、あ、えあぇ、え？？？？？」
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まともに話せないイデアを気に留めず、監督生は髪についた葉っぱを取りながら笑った。
「イデア先輩、すきです」
Happyend
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作者名：ぴの x他1人 | 作成日時：2021年4月17日 16時
