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煤だらけの屋敷には、蜘蛛の巣ひとつもない。
焼け焦げたあとの残る高級そうなワインレッドの絨毯の上を歩きながら、通されたのは客間、だという。
……あまり、周りを見ないように……何か見た時に、変な声をあげないように……と、思っていると、足元の透けていない人を見つけて、見上げた。
青く揺らめく炎のような髪の毛を持った、女の人。
……反射的に、それがイデアの……イデアたちのお母さんなのだと思った。
あら、と楽しそうに声をあげた女性に、イデアは苦い顔して目を逸らし、オルトは丁寧に頭を下げた。
「イデアさんのお友達かしら。初めまして、こんな辺境の地へようこそ」
「あ、はい、えーっと。急に押しかけて申し訳ありませ……あ、私はAと言うんですが……」
「そう。……クラスメイト……ではないわよね、女の子ですもの……イデアさん、お見合いや婚約の類は全て断ってしまっていたから心配していたけれど……その必要はなさそうね」
「や、やめて母さん、そんなんじゃない……」
クスクスと笑う女性はやはりイデアのお母さんだったのだ、という確信と、良く考えれば今、イデアの彼女だと認識されたのだと思って……少し、顔が熱くなる、が。
……この異様な舞台では、照れることもまともにはできない。
「まあ、何をしに来たかはわからないけれど……くれぐれも、気をつけるのよ」
「……気をつける？」
そんなこと、学園長も言っていたような。イデアのお母さんが微笑むと、チラ、と見えた歯が、イデアとよく似ていた。
「悪いゴーストに、攫われちゃわないようにね」
「……その話、島外の人間にしてもダメだって」
ぶつぶつと下を向いてイデアが言うのを聞いて、お化けが出るぞー、くらいのやつかとも思う反面。
……死の国が、近い。
……自分がゴーストになりかわられたかもしれない。
……ゴーストには気をつけなきゃ、と、ゴーストだらけの屋敷で気を引き締めた。
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リュウ(プロフ) - 明理さん» お読みいただきありがとうございます♪いまはもう6章情報が確定しているので完全捏造物語でしたが、楽しんでいただけていたなら何よりです！！こちらこそコメントありがとうございます、励みになりました…！ (2022年6月20日 0時) (
レス) id: 1756f4b157 (このIDを非表示/違反報告)
リュウ(プロフ) - リノさん» お返事遅くなりましたが、とても嬉しいお言葉をありがとうございます♪読んでいただけて、好きと言っていただけて、書いていてよかったって嬉しくなりました。またご縁ありましたらよろしくお願いします♪ (2022年6月20日 0時) (レス) @page48 id: 1756f4b157 (このIDを非表示/違反報告)
リュウ(プロフ) - 語彙力不足の通りすがりイデア推しさん» 大変お返事遅くなりましたが、とても嬉しいお言葉をありがとうございます…！6章前しか許されない妄想物語でしたが、こちらこそ本当に嬉しいお言葉をありがとうございます….！書いて、残しておいてよかったです☆*。 (2022年6月20日 0時) (レス) id: 1756f4b157 (このIDを非表示/違反報告)
明理(プロフ) - 幸せすぎて苦しい…もう好き…言葉が出てこない…ありがとうございます…！ (2022年6月15日 21時) (レス) @page48 id: 0be17a4bd3 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - 素晴らしい作品です。こんな素敵な作品に出会うことができてとても嬉しく思っています……！！一言で表すと好きです。本当はこれだけじゃ言い足りないですけれど…… 素敵な作品をありがとうございます！！ (2021年12月27日 19時) (レス) @page48 id: 19366b94fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リュウ | 作成日時：2020年10月7日 3時
