いつもと違う君が見たい! 【短編集】

嬉しくないお誘い 3 ページ7

「A…？」

突然キレた私に、トーニョも先生も唖然としている。

「…失礼しました。先生、数学の時の試験官は何か言ってたんですか？」

「……いや、特に不正は報告されていない。だが……」

「だったら疑うのはやめましょうよ。 彼はそんなことをする人ではない。」

真っ直ぐに先生の目を見る。

「……先程、鈴川にも関係があるかもと言ったが、お前、断言できるってことは
お前もカリエドをみていたのか？」

「見ていません。」

「お前もしらばっくれるつもりか？」

「嘘はついていません。本当に見ていません！」

先生は、私たちを疑り深い目でじっと見ている。 威圧に怯みそうになるが、必死に耐える。

……しつこい、怖い。 もうやめてよ……

「ええ加減ににせぇ！Aが見てないって言ってるやろ！」

「トーニョ？」

隣を見ると、彼は真っ赤な顔で先生を睨んでいる。

「何度でも言ったる。俺もAも不正行為はしてへんで！」

先程とは違う、強い強い眼差し。

……トーニョ

「……本当にやって無いんだな？」

「当たり前や！」


「……今回はそういうことにしてやる。だが、カリエド。お前が数学のテスト中に落書き
したのは事実だ。 それについては、しっかりと反省するように。」

先生はそう言うと椅子から立ち上がり、私たちにも出るように言った。



「さっきは怖かったわぁぁ」

トーニョは、先程までの強さが嘘のように私にぎゅうっと後ろから抱きついている。

可愛い。

「……さっきは守ってくれてありがとう。」

ボソッと口に出した。

「トーニョ、カッコ良かったよ////」

すると彼は、嬉しそうに小躍りをはじめる。

「ほんまに！？嬉しいわぁぁぁぁ！」

……そこまで･･


「そういえば、トーニョはどうしてぼくを描こうと思ったの？」

すると彼は、ピタッと止まって、顔を真っ赤にする。

そして、先程のような真剣な目でぼくを見て、こう言った。


「Aが、大好きだからやで」

え……////

「それって、恋人として？」

「せや////」

「良かったら、付き合うてくれん？////」


驚いた。 彼がそう思っていたなんて知らなかったから。

そして、嬉しさがこみ上げてくる。


答えは決まっている。ぼく、いや私も…


「私も…

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トーニョが大好きです！！！」

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