いつもと違う君が見たい! 【短編集】

HAPPY X'mas！《ティノ 控えめ》懐中時計様リクエスト ページ11

＊Aさんとティノは生徒会に入っています

｢えぇー!?俺、女の子と踊りたい！!｣

｢良いじゃねぇか今年くらいマジックショーやったって！｣

生徒会室に響き渡る言い争い。

生徒会主催のクリスマスパーティーのプログラム決めをしているのだが、

話は一向に纏まりそうにない。予定時間を,30分は過ぎているだろうか。

…あーあ、早く終わらないかなぁ


ふと、隣を見る。

「ティノ…？」

彼は時計をチラチラと見て、焦ったような表情を見せている。

「……あぁ,すみません！…何ですか？」

「どうしたの？ 用事でもある？」

「いえ！大丈夫です…」

そういう割に,時計ばかり見ている彼。

「大丈夫なわけ無いんじゃ無いの？ ティノ,はっきり言っていいんだよ？」

幼馴染の私に分からないとでも？

「…っ,でも…！会議中だし…」

「ティノ,真面目すぎ。はっきり言わないといつ終わるか分からないよー？」

視線を前に向ける。

「女と居たいだけなら,ダンスじゃなくたっていいじゃねぇかよ！」

「坊ちゃんだって、特技自慢したいだけだろー？」

言い争うフェリとフランシス,アーサー。ルートは止める気力を無くしたのか、

大きなため息をついている。

これは、当分終わらないだろう。

どうしようか…ティノを何とか抜けさせてあげるには……そうだ！

「会長！」

「お前らだって彼女いないくせに…あ,Aどうした？ お前もマジックショーがいいよな！！？」

「すみません，私とティノ,急用があるので帰ります！」

「ティノ,行くよ！」

私は驚く彼の腕を無理やり引っ張り、

「え,あ,ちょっと待てよ！」

生徒会室を飛び出した。

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