43.青い光はただ真っ直ぐに ページ43
「ははっ」
からりと笑うカラ松さん。
どうして笑っているのかわからずに首をかしげていると、先ほどの優しげな表情とは違い怪しげな表情をしていた。
目を逸らすこともできず、ただごくりと唾を飲み込む。
「君は嘘つきだ」
「一松に会いに来た？一松に迷惑はかけられない？違うな」
「君は一松に嫌われたくないだけだろう」
どき。
どうして、それを。私が心の奥の奥に隠した、おそ松さんでも気付いていないであろう本心の裏の裏を、この鈍そうな男がどうして知っている。
図星をつかれ、ずりりと後ずさった。
「別に悪いとは言っていない。ただ君は矛盾だらけだ。自分でも何を選べばいいのかわからず結局繰り返そうとしている」
そんなこと、自分が一番よくわかっている。
私は矛盾だらけで、結局繰り返して、一番迷惑をかけてしまう道を今回もまた選ぼうとしている。
でも、それ以外にはもう私の洗脳されきった頭では考えることができないのだ。
「じゃあどうすればいいんですか」
「そんなの決まっているだろう。一松に全て任せて君は己の欲望に忠実になればいい」
「…はい？」
わけがわからずつい聞き返してしまう。
そんなこと出来るわけない。
「君のお家事情も含めて一松がなんとかするだろう。だから君は一松に導かれるままに、身を委ねるだけでいい」
「そんなこと出来るわけないじゃないですか。無理ですよ雲居に楯突くなんて」
「それが出来るんだな。一松なら」
「どうして言い切れるんですか」
「決まっているだろう。俺はあいつを信じているからな」
当たり前。とでも言いたげな瞳。
真っ直ぐに光が宿っていて、その光は私には眩しすぎた。
羨ましい。この人が心底羨ましい。
「…そうですか。
でもやっぱり怖いんです。雲居が。自分がいなくなるのが。一松くんに嫌われるのが。だからやっぱり行きますね」
「…そうか。残念だ。またすぐに会えることを願っておこう」
「色々とありがとうございました。それではさようなら、カラ松さん」
「…またな三宅」
誰もいない真っ暗な闇を振り返ることなく走る。
もう叶うことはない願いは心の中に封じ込めてただ一つの場所を目指して走った。
最後に、見ておきたかった場所。
一松くんとの始まりの場所。
「来ると思っていたよ」
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薫 - 超泣けました。 一松イケメンかよ(´;ω;`) これからも頑張ってくださいね!! (2016年2月25日 0時) (
レス) id: dcb8c365a4 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 続編楽しみにしています！ これからも頑張ってください (2016年2月14日 15時) (レス) id: 260c6f1543 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - 作者Aさん» 素敵な作品と言ってもらえて感動の限りです( ；∀；)続編が遅れてしまい申し訳ありません。これからも頑張りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - 月宮さん» 続編遅れてしまい申し訳ありません。続編からは番外編も予定してあるので！よければ見てくださいね(*´▽｀*) (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - ラナさん» ラスボス感を出させたいがためのハタ坊です(*´▽｀*)かっこいいハタ坊に夢見てます。 (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トシア | 作成日時：2015年11月21日 15時
