32.優しさ ページ32
「ミケ泣いてる？」
「ちょっとね、いろいろあって」
やっぱりこらえきれなくて流れた涙。
優しく頭を撫でてくれる一松くん。
「…一松くんは私が三宅Aじゃなくなっても仲良くしてくれる？」
「どういうことかわかんないけどミケはミケでしょ。俺の猫」
「そっか。ありがとう」
ここで探りをいれずにただ側にいてくれる一松くんの優しさがありがたいと同時に苦しくて。
涙が溢れて止まらなかった。
布団の中でぼろぼろと涙を流す私を一松くんはぎゅっと抱き締めてただ「大丈夫」って言ってくれた。
「仲良くしたくなかったらわざわざ休みの日に水族館行こうなんて言わないでしょ」
「うん」
「だからミケはあれこれ考えずに俺の言うこと聞いときゃいいの」
「うん」
「だから泣くな」
「…うん！」
一松くんの言葉が嬉しくて、涙を拭って笑顔をみせた。
「ブサイク」って笑いながら言われたけどそれがまた嬉しくて。
また向き合うことを遠ざけて、優しさの中に逃げ込むんだ。
「一松くん今日は帰るの？」
「帰らないと兄弟がうるさい」
「お兄さんが提案したのに？」
「あー、俺六つ子。おそ松兄さん以外の他の兄弟がうるさい」
「え、そうなの？」
「うん」
ここで衝撃の事実。
一松くんは六つ子らしい。
そういえばうちの学年松野って名字8人くらいいたけどそのうち6人は兄弟だったなんて。
確かになんかドッペルゲンガーが6人いるって噂になってたけど興味なかったからなあ。
「ドッペルゲンガーの噂一松くんだったんだ」
「まあ、ドッペルゲンガーじゃないけど」
「へえー。兄弟仲いいの？」
「基本は。一人うざいしイタい」
「おそ松さん？」
「次男」
「写真みたい！」
「え」
なんだその心の底から嫌そうな顔は。
次男の人はよっぽど一松くんから不当な扱いを受けているとみえる。
そう思うとなんだか親近感がわいてきて、余計に見たくなった。
「一松くんお願い！見せて！」
「やだ」
「ねえお願い！」
「やだ」
「お願い！一松くんのお願いも何か一つ聞くから！」
「…言ったな」
あ、これはダメなパターンだ。
賭けした時と同じ顔。
「やっぱな「なしはなし」はい…」
先に封じられ、どうしようもなくなる。
言わなきゃよかった。
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薫 - 超泣けました。 一松イケメンかよ(´;ω;`) これからも頑張ってくださいね!! (2016年2月25日 0時) (
レス) id: dcb8c365a4 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 続編楽しみにしています！ これからも頑張ってください (2016年2月14日 15時) (レス) id: 260c6f1543 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - 作者Aさん» 素敵な作品と言ってもらえて感動の限りです( ；∀；)続編が遅れてしまい申し訳ありません。これからも頑張りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - 月宮さん» 続編遅れてしまい申し訳ありません。続編からは番外編も予定してあるので！よければ見てくださいね(*´▽｀*) (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - ラナさん» ラスボス感を出させたいがためのハタ坊です(*´▽｀*)かっこいいハタ坊に夢見てます。 (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トシア | 作成日時：2015年11月21日 15時
