19.賭け ページ19
それから、松野くんと凄く仲良くなった。
小さな時から、自分は利用されているだけだと感じていたからかもしれない。
初めて自分自身を見てくれた松野くんの呼び方は気付けば一松くんに変わっていて、一緒にいることが当たり前になった。
特定の友達を持ったことの無かった私にとって、毎日が新しく見えた。
そして、高校一年の二学期、期末テストがもう一週間前に迫っていた時。
一松くんと私が一緒にいるようになって６ヶ月くらいの時だった。
「なあ、三宅」
「なに？」
「もうすぐ期末テストじゃん」
「そうだね」
「賭けしよう」
“賭け”それも私にとっては新しいもので、その危険な響きに惹かれて乗り気になっていた。
それがきっかけで悪魔が目覚めることを若い私はまだ知らない。
「どんなの？」
「もし、俺が数学で三宅に勝ったら三宅は俺の言うことを一つ聞く。三宅が勝ったら俺が三宅の言うことを一つ聞く。どう？」
「えー、数学苦手」
「お前頭良いからこれくらいのハンデいいだろ」
「んー…。わかった！その賭け乗った！」
「よし。やっぱなしとかは無しな」
「そっちこそ！」
それから一週間必死に勉強した。
他の教科よりも重点的に数学を勉強して、賭けに備えた。
実際、自分自身今までで一番良くできたと思う。
そしてテストが返された。
数学�気�96点、数学Aは95点。
本当に良くできた。
他の教科も今までと同じくらいを保ったから全体順位は格段に上がった。
でも、でも、
「なんで！」
「はーい、俺の勝ち」
赤点ギリギリの教科もあるくせに、一松くんは数学だけは両方100点を取りやがった。
「意味わかんない！」
「アホか。頭良いお前に全教科まんべんなく勉強してさらに数学勝つとか無理に決まってんじゃん」
「せこい！」
「三宅がアホなのが悪い」
ぶーたら文句を垂らす私に余裕のある笑みでかわす一松くん。
賭けに勝ったら駅前のプレミアムプリン奢って貰おうと思ってたのに。
まあせいぜい何か奢れくらいだろうと軽く考えていた私はやはり一松くんの言う通り“アホ”なのだろう。
一松くんの言うことは予想遥か斜め上を通過し、一周回って後ろから私を攻めてきた。
「今日からお前は俺の猫だ」
「…はい？」
「賭けに負けたから今日からお前は俺の猫だ」
「ちょっと意味わかんない」
「お前は俺の猫。だから言うこと聞け」
「えー！ちょっとそんなの」
「なしは無し」
「うっ」
これが私がミケになった瞬間。
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薫 - 超泣けました。 一松イケメンかよ(´;ω;`) これからも頑張ってくださいね!! (2016年2月25日 0時) (
レス) id: dcb8c365a4 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 続編楽しみにしています！ これからも頑張ってください (2016年2月14日 15時) (レス) id: 260c6f1543 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - 作者Aさん» 素敵な作品と言ってもらえて感動の限りです( ；∀；)続編が遅れてしまい申し訳ありません。これからも頑張りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - 月宮さん» 続編遅れてしまい申し訳ありません。続編からは番外編も予定してあるので！よければ見てくださいね(*´▽｀*) (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - ラナさん» ラスボス感を出させたいがためのハタ坊です(*´▽｀*)かっこいいハタ坊に夢見てます。 (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トシア | 作成日時：2015年11月21日 15時
