18.昔の夢 ページ18
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「三宅さんおはよう！」
「ねえ三宅さん宿題やった？」
これは、昔の夢だろうか。
紺を基調としたセーラーの制服。
全く覚えていないクラスメイトのぼやけた顔。
まだ全員が揃っていない朝方の教室。
「ごめん！私もやってくるの忘れちゃった！」
「そっかー。ごめんね、ありがとう」
そんなのは嘘。
ただ、下心が見え見えの気持ち悪いその声色と、貼り付けただけの笑顔にちょっと苛立っただけ。
ほら、すぐにおとなしめのちょっと賢い子に宿題みせて貰おうとしてる。
そうやって人を利用する小賢しい人を私はどうも受け入れられないようだった。
ずる賢いその子たちを一瞬だけ見て、自分の窓際から二番目の一番後ろの席に座ってただただ流れる雲を眺めた。
窓枠で限られたその空は何故か大きく見えて、その大きな空を自由に飛ぶ烏が少し羨ましくなった。
ぼーっとただ空を見つめている自分が、いかにちっぽけな存在なのかを知らしめられた気がした。
「ねえ、ちょっと」
「へい！」
「…なにその返事。あのさ、宿題」
こいつもか、そう思った。
いつの間にか来ていた隣の席の松野一松くん。
あまり喋ったことが無かったから珍しい。
断ろうと思ったけど、次に出てくる言葉は他の人とは違った。
「わかんなかったから教えて」
「え？あ、うん！いいよ！」
「なにその挙動不審。そうだよね。俺みたいなやつになんか…」
「いやいや、あの、てっきりあの子たちみたいに宿題みせてって言われるものかと思って…」
「はぁ。バカなの？宿題写したら先生ににバレるし。それに普通自分が時間かけてやったものを何もしてない他人に見せるの嫌でしょ」
気づいてた。気づかれてた。
私が嘘ついてること。嫌がってること。
何となくばつが悪くなって「あはは…」とだけ返した。
「別に三宅を責めてるわけじゃない。俺も嫌だし。まず言われないけど。
だから三宅は何も気負いすることない」
「そうなのかな？」
「うん。だからできなかったところは教えて」
「いいよ！」
驚いた。
なかなか無理矢理だけど、“だから”のあとちょっと意味わからなかったけど、「見せて」じゃなくて「教えて」って言われたのは初めて。
応用問題だけ答えの出ていないプリントを広げた松野くんに出来るだけわかりやすいように丁寧に教えた。
何だかそれは新鮮で、“利用“じゃなくて“頼り”にされている気がしてすごく嬉しかったんだ。
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薫 - 超泣けました。 一松イケメンかよ(´;ω;`) これからも頑張ってくださいね!! (2016年2月25日 0時) (
レス) id: dcb8c365a4 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 続編楽しみにしています！ これからも頑張ってください (2016年2月14日 15時) (レス) id: 260c6f1543 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - 作者Aさん» 素敵な作品と言ってもらえて感動の限りです( ；∀；)続編が遅れてしまい申し訳ありません。これからも頑張りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - 月宮さん» 続編遅れてしまい申し訳ありません。続編からは番外編も予定してあるので！よければ見てくださいね(*´▽｀*) (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - ラナさん» ラスボス感を出させたいがためのハタ坊です(*´▽｀*)かっこいいハタ坊に夢見てます。 (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トシア | 作成日時：2015年11月21日 15時
