転生？チート？そんなもん知るか。今はただ推しを愛でるのみ【転スラ】

2話 ページ5

『…えっと？』

「覚めたようだな。自分が誰か分かるか？」
「綺麗な目ね。左は私とお揃いじゃないの」

目覚めたら、推しであるルドラ様とヴェルグリンド姉様が目の前にいました。

は？え？ちょっとどういうことか分かんない…

『失礼ですが、今まで私は何をしていたのでしょう…？』

「突然余の庭園に光とともに落ちてきて、そのまま2日ほど気を失ったように眠っていた」

なるほど。私に推しの前で恥をかかせたあのクソ神は帰ったら殴るとして…

『あなた方は？』
まぁ知ってるんだけどね。

でも皇帝陛下とヴェルグリンド姉様って人前に滅多に姿を見せないらしいから、
知ってたらおかしいじゃん？

「余はナスカ・ナムリウム・ウルメリア東方連合統一帝国皇帝、ルドラ・ナム・ウル・ナスカである」

「私はこの世界に存在する4体の竜種が一柱、灼熱竜ヴェルグリンド。今はこの帝国の元帥よ」

わお、めっちゃ素直に教えてくれた。

『…あの、部外者の私にそんなあっさり名前を教えていいのでしょうか…？』

「お前がここに来た時点で顔は知られている。今更隠しても無駄だと思った」

『そうですか…じゃあ私のことも話しますね。えっと、私は転生してきました』

「「⁉」」

「転生…？それはこの世界で生まれ変わった、ということ？」

『あぁいや、異世界で死んでこちらの世界に転生してきました』

「…ふむ、珍しいパターンだな。余が長く生きてきた中でも、このような例は無かったぞ？」

「そうね…ちなみに貴女、名前は？」

『無い、と思います。今の私は生まれたばかりの魔物なので…』



「「では余が/私が、名付けてやろう/あげましょう」」



綺麗にハモった…

「ヴェルグリンド、余が名付けると言っているであろう」

「いくらルドラでも、これは譲れないわ。彼女には私が名前をつけてあげる」

どっちも推しだから選べない。駄目だこりゃ。

コインを投げた結果、ルドラ様が名付けてくれることになりました。

ヴェルグリンド姉様、すっごい悔しそうにしてた。可愛い←

「では。お前にはAと付ける。今日から、A・ナム・ウル・ナスカと名乗るが良い」

ん？名前はいいとして、後になんかついてねぇか？

『あの…名付けしてくださったのは光栄なのですが、皇帝陛下のお名前を頂いてもよろしい
のでしょうか？」

「うむ。余が直々に名付けをしたのだ、当然だろう」






「むぅ…ずるいわよ、ルドラばっかり…」

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