元引きこもりの周りが病んできた…【文スト】

元引きこもりが８８人。 ページ48

相沢side

『皆さんは、何故此処にいらっしゃったんですか？』


一人ひとり炬燵に入ってもらい、私は事情聴取することにした。

急に家に来られても吃驚するし、第一納得がかない。


「僕は、任務帰りに全力疾走するAを見つけ、追ってきた」


先ず口を開いたのはやつがれくんだった。

追ってきたのなら何故私よりも先に家にいるのかという疑問が湧くが、

深く掘り起こしても知って得のある事かと云われればそれはNOなので聞かないで置く。


「私はAちゃんに”あのこと”謝るついでに一緒に年越ししようと思って」


次に何故か勝ち誇った顔で話した太宰さん。あのことを強調して話す辺り悪意を感じる。

それに、あんなことがあったあと一緒に夜を過ごそうだなんてどうかしている。


「僕は…この間Aさんが僕たちの部屋に来た時忘れていったものを返しに。

　前々から返そうとは思っていたのですが、忘れてしまい…

　こんな時間にまで申し訳ないなと思っていたところ、太宰さんからAさんは

　さっき探偵社を出たばかりだと聞いて来ました。やっぱり迷惑でした…？」


敦くんは一番まともな理由。それにしても、私最近敦くんたちの部屋行っていないような

気がするのだが…どれだけの期間忘れていたんだろう。気付かない私も私だけど。


敦くんから忘れ物を受け取り、最後に師匠が話した。

「俺ァ、何時もみたいに、折角年越しだから泊りに行こうと……」

「はぁ？いつもみたいにって何？中也はAちゃんの何な訳？

　まさかAちゃん、OKとか云わないよね？

　あっそうだどうせならみんなで泊まろう！」


太宰さんが師匠の言葉に被せて云った。

それも全員で年越ししようと莫迦なことを。


敦くんの部屋では鏡花ちゃんが待ってるし…、鏡花ちゃんを一人にする訳には行かない。

敦くんもそのような考えだろうと顔を見ると、これまでに無いほど嬉しそうな顔をして、

既に鏡花ちゃんに連絡を入れていた。


「よし、敦くんも鏡花ちゃんに連絡したし、零時まで喋り倒そうじゃないか！」


………どうやらこれは、決定事項のようだ。

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