元引きこもりが86人。 ページ46
相沢side
階段を上り終えて、玄関前に立つ。
さて、この先には誰がいるか……
嫌だなぁ、出来ることならドアノブを握りたくもない。
けれどそれでは私の寝床がなくなってしまう。
お風呂も入りたいし眠いしお腹も減ってるんだよっ!!
そう、意を決して鍵穴に指した鍵を半回転し、ガチャリと音を立ててドアノブを回した。
「あ」
『え?』
ドアを開けるとそこには、一人の人間がいた。
太宰さんではないことは明らかなので、予想外の展開に困惑しつっ立っていると、
目の前の人が突然迫ってきた。
途端に視界が暗くなる。
このごわごわとした肌触り……外套など衣類の類だ。
若しかして、抱きしめられている?
私が相手に問う間もなく、其の人は私を強く抱きしめたまま悲痛な声をあげた。
「A……!!今まで何処を彷徨っていた!!
何故、何故
この声。
私がすっぽりと埋まってしまう背丈に似つかない細身の体系。
『やつがれくん?』
「その名で呼ぶなッ!!」
『ぎゃあぁ!友人に羅生門使うなんて!』
芥川龍之介___通称やつがれくんは、私のマフィア時代の親友だ。
互いに遠慮なく物事を言い合える関係。そんなものは私にとって彼一人だ。
それにしても、こんな形で再会できるとは、世の中とは狭いものなんだなぁと実感する。
「何してんのAちゃん」
「!?何してやがる芥川!A、平気か?」
「芥川ッ!!お前、Aさんに何を………」
私が羅生門によって宙ぶらりんになっていると、
まだ開いたままの玄関からなにやら数人の声がした。
『なんでいるんですか皆さん…!?』
一人目、私が最近気に病んでいる人物。「太宰治」
二人目、我が誇る元師匠、「中原中也」
三人目、優しくて馴染みやすい友人。「中島敦」
勢揃い……仲の悪い人もいるけど、うるさくて近所迷惑にならないかなぁ………
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潰れたいちご(プロフ) - 眠いちゃんさん» コメントありがとうございます!こちらの作品タチの良いヤンデレ(?)を目指しております。めっちゃ好きだなんて、嬉しいです…!!ありがとうございます! (2023年2月19日 17時) (レス) id: ac34134ea1 (このIDを非表示/違反報告)
眠いちゃん - 何このカッコいいヤンデレ 好い人じゃん←← めっちゃ好き(作者さんが) (2023年2月19日 13時) (レス) @page18 id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
潰れたいちご(プロフ) - ロアさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて光栄です…! (2023年2月12日 22時) (レス) id: ecfd4d2385 (このIDを非表示/違反報告)
ロア - やだー好きなんだけど (2023年2月12日 20時) (レス) @page2 id: f71c6b27b8 (このIDを非表示/違反報告)
潰れたいちご(プロフ) - yobyoboさん» コメントありがとうございます!勿体ないお言葉…!更新がんばります! (2023年2月11日 9時) (レス) id: ac34134ea1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つぶれたいちご | 作成日時:2023年2月8日 16時