元引きこもりの周りが病んできた…【文スト】

元引きこもりが４６人。 ページ5

相沢side

「はァ…ま、俺等はもう上司と部下の関係じゃねェし、



　幹部命令とかも無理だから許す。が、次はないと思え」



溜息を吐き、床であぐらをかいて師匠は言った。



とりあえずはよかった…許してもらえて。



『ありがとうございます…



　あの、一つお聞きしていいですか』



「ん、別に構わねぇ」



不思議そうな顔をして答える。



さっきまでのこと、憶えてない…？



いや、わざとかもしれない。それとも気にしてないだけなのか…



どちらにせよ確かめた方がいい、今後の関係もこのままじゃ気まずくなってしまう。



『あの、さっきの、壁ドン？と、キスって…』



すると師匠はなんでもないような顔をして答えた。



「それくらいは自分で考えるンだな、



　物事を推理するくらいの脳味噌はあるだろ。



　あと今日泊まッてくから」



推理するくらいの脳味噌、だなんて馬鹿にされているような気分だ。



一般人よりかはいい方なのでは、と考えてすぐに、



いや、ないか。と考えを放棄する。



そして気が付く。



『え、は、え、泊ってく？』



「ああ」



『ええ…そんないいものないですよ』



「構わない」



『ええ…』



「なんだその嫌そうな顔。



　俺が嫌いか？」



テンポのいい会話が続いていたが、そういわれて数秒硬直する。



が、すぐにまた意識を取り戻し首をぶんぶん振る。



『そんな、とんでもない…！



　師匠は私の恩人です。嫌いなわけないです、寧ろ好きです。



　喜んで泊っていってください』



「はは、恩人はどっちかッて言ったら首領だろ。



　でも、さんきゅ」



頬をあからめてそう言う師匠が少し、いやかなり可愛く見えた。

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