引きこもりが愛されてしまった…【文スト】

元引きこもりが４０人。 ページ47

相沢side

ポートマフィア時代で聞いた話によると、



確か此処の女医、ということらしい。



蝶の髪飾りが特徴的な美人。



第一印象はこれだった。



知っているとしても、噂程度の話だ。合っているという確証はない。



その為口に出したのは太宰さんが言っていた「与謝野さん」という苗字だけ。



『与謝野さん…？』



しゃがんでいる私に気付いた与謝野さんは目を少し開いて此方を向き、



にっと笑って言った。



「ああ、新入社員の子だね。



　初めまして。妾は与謝野晶子だ。ここ、武装探偵社の女医をしている」



綺麗な笑顔で微笑まれてまごついてしまうが、



なんとかきごちない笑みを浮かべて私も挨拶する。



『お、お初にお目に掛かります。相沢Aと申します』



「わぁー、Aちゃんがっちがち」



「ふふ、これから同じ場所に勤める仲になるンだから、



　もっと力を抜いてくれてもいいのにねェ」



いつの間にか正気に戻って起き上がりながら言う太宰さんに賛同して笑う与謝野さん。



太宰さんに話しかけていたときは、目がぎらっぎらしてて少し怖かったけど、



案外優しい人なのかもしれない。



まともな人っぽいし、男性が多いこの社では珍しい女性社員だ。



仲良くさせてもらえればいいな…

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