好きだよ、レオくん４【佐野玲於】

好きじゃない？ ページ32

Your side



どうしても佐野さんを一目見たいと、
目をうるうるさせて頼み込まれる。
私は後輩ちゃんのその顔にめっぽう弱い。


「…わかった、撮影少し覗くだけだからね？」

「神に誓います…っ！」

「ふふっもう…いちいち大げさ。」



この後輩ちゃんを見てると、
どうしても過去の自分と比べてしまう。
レオくん、って付き纏ってたあの時期。
目が合うだけで嬉しくて、話せた日なんか
舞い上がっちゃうくらいにはしゃいで…

きっとそのこと、この後輩ちゃんが知ったら
ほんとに驚かれるんだろうけど。




「…佐野くん…あ、いた…！」

「……うん、」

「一番かっこいい…カッコ良すぎる…」




廊下ですれ違って、挨拶を交わす程度の関係。
そんな佐野さんのことをここまでジっとみたのは
ほんとに久しぶりだった。

黒髪でしっかりと整えられた前髪
真っ白な肌
はにかんだような笑顔
意外と高い170センチの身長

口下手で無口なくせに、憎めなくて、
誰からも愛されるような性格で、
私が泣くの我慢してるの、すぐに気付いてくれて、
笑わせてくれて。
お店に行くと、私の好きなもの頼んでくれて、
それを半分こにしてくれて。



「…… Aさん、？」



完全に忘れられたと思ったのに。

もう、レオくんのこと好きじゃないと思ってたのに。



全然、だめじゃん。

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