ハンカチ ページ25
Your side
玲於くんの声が微かに聞こえて、
慌てて廊下の角を曲がって身を隠してしまった。
自分から距離をとったくせに、逃げたのに。
玲於くんのためって…綺麗事並べて、
全部から逃げたのに。
「…っばか…」
壁に寄りかかると、
そのまま足から力が抜けて
玲於くんと離れてから、初めて涙が出た。
一度出るとおさまることをしらない。
「…大丈夫?」
上から声が降ってきて、肩にポンと手が置かれた。
「あらん…くん…っ」
「やっと目があった。最近、廊下ですれ違ってもさ、
全然こっち見てくれないんだもん。」
「…ごめんなさい、」
「もう目、真っ赤じゃん。」
泣きすぎ、なんてちょっと笑われて、
壁に寄っかかるように、私の隣に座った。
「髪の毛、ストレートにしたの?」
「…うん、気分一新?みたいな。」
「全然気分一新できてなさそうだけど。」
「……努力してるの、忘れられるようにって…っ」
「ほら、もう泣かないの。」
ほっぺを軽くつねられて、ハンカチを渡された。
「Aちゃんは笑ってる方がいいよ。
クールキャラなんて…似合わない。」
「…クールキャラ、?」
「後輩に言われてるよ。
Aさんはクールビューティー系です、って」
「ふふっなにそれ。」
「ほんとだって!俺だって、いや誰だよって
思っちゃったよ。」
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めぐ(プロフ) - さよなら、純情のパスワードが知りたいです! (2022年3月30日 13時) (レス) id: 87471c5401 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏 - お疲れ様でした!!次回作も楽しみです!こちらこそ、本当に面白いお話をありがとうございました! (2020年5月7日 10時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
mmmmmsss0215(プロフ) - はやく更新されないか毎回待どうしかったです。これで終わってしまうのは悲しい。今後のstoryも書いて欲しいです。 (2020年5月7日 1時) (レス) id: 7082c82480 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてました!超超超超大好きな作品です!!!お時間があればで全然大丈夫なのでアフターストーリーも見たいです! (2020年5月7日 1時) (レス) id: f81c34e9d9 (このIDを非表示/違反報告)
mmmmmsss0215(プロフ) - 毎回楽しみにしています。 (2020年5月4日 2時) (レス) id: 7082c82480 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふたば | 作成日時:2020年3月8日 8時