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春風 ページ17

Your side



涼太くん、何かおかしかった。

だけどなにを言いかけたのか、全く分からない。


夕方、みんなが帰ったあとに、
いつものようにハナさんと片付けをしていたとき、
さりげなく聞いてみることにした。


「ハナさん、なにかあったんですか…?」

「ん?なんのこと?」

「いや…今日、メンバーの態度とか…
普段と違うのかなぁ、なんて。思ってて…」

「…あぁ、そう、?あんまり分からなかったけどな」


ハナさんはメイク用具の片付ける手を止めずに、
しかも私の目も見ないで、そう告げた。


「……玲於に聞いてみればいいんじゃない、かな」

「…玲於くん?なんで玲於くんが…」

「はい、片付け終わり!帰ろ!」


初めて目があった。
まるで何かを悟られないようにしてたみたいに、
合わなかった視線が、ぴったりと。

一度気になったら、行動せずにはいられない性格。
しかも玲於くんのこととなれば、やることは一つ。

ハナさんと別れてから、駅までの道。
夕方6時の薄暗くて、春風が微かに頬を撫でた。

何度も何度も、着信ボタンに指を伸ばした。

歩きながら何回も。

気になるのに、傷つくことを恐れて、
寒さで(かじか)む指先を理由に、
結局電話をかけることができなかった。



そのまま家に帰って、ソファーにダイブ。
クッションに顔をうずくめていると、
手の中で振動する携帯電話。


[玲於くん]


1コール、2コール、3コール…

早く出たら、ずっと待ってたみたいだよね。
次のコールが鳴ったら…鳴ったら。
だけどその4コール目が鳴る前に、
ピタッと音が止んでしまった。


「うそ…」


あぁ時間戻したい。
バカな自分。

13時間→←大人の責任



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設定タグ:GENERATIONS , 佐野玲於   
作品ジャンル:恋愛
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めぐ(プロフ) - さよなら、純情のパスワードが知りたいです! (2022年3月30日 13時) (レス) id: 87471c5401 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏 - お疲れ様でした!!次回作も楽しみです!こちらこそ、本当に面白いお話をありがとうございました! (2020年5月7日 10時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
mmmmmsss0215(プロフ) - はやく更新されないか毎回待どうしかったです。これで終わってしまうのは悲しい。今後のstoryも書いて欲しいです。 (2020年5月7日 1時) (レス) id: 7082c82480 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてました!超超超超大好きな作品です!!!お時間があればで全然大丈夫なのでアフターストーリーも見たいです! (2020年5月7日 1時) (レス) id: f81c34e9d9 (このIDを非表示/違反報告)
mmmmmsss0215(プロフ) - 毎回楽しみにしています。 (2020年5月4日 2時) (レス) id: 7082c82480 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふたば | 作成日時:2020年3月8日 8時

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