好きだよ、レオくん４【佐野玲於】

犠牲 ページ21

Alan side



「あぁいよいよ明日じゃん、玲於帰ってくんの。」

「まじで長かったっすね…」


3ヶ月間。玲於のいない生活。
めちゃくちゃ長く感じられた。

6人で飯食いに行っても、玲於の話になるし
テレビ電話とかしょっちゅうしてたから、
そんな寂しいって感覚にはならなかったけど。

ただ問題は______



「… Aちゃんのこと、玲於に言ったんすか？
亜嵐くん。」

「言った、他のところの専属ついたって」



ある日突然だった。
　
Aちゃんが、後輩のグループの専属に就くことが知らされた。もう意味分かんなかったけど、HIROさんに聞いても濁されるだけだった。


なぜかAちゃんに懐いてた隼は、ずげぇ落ち込むし、龍友くんも姫を取られた…なんて大騒ぎ。



「玲於、どんな顔すんのかな…」


涼太のそんな言葉で楽屋が静まり返る。

電話をした時は、" そっか " の一言だけだったけど、
実際ショックに決まってる。
Aちゃんを戻すために、自分を犠牲にして
アメリカにまで行ったんだから。



「あいつら、連絡取ってんのか？」

「いや取れてないみたい。音信不通だって。
多分… Aちゃんが玲於の連絡先消した。」

「…それ、自然消滅ってやつか。
別れたっちゅうことになるんか…？」

「それは分からないけど。
玲於は相当きてるんじゃないかな。」



この前、廊下でAちゃんとすれ違ったとき、
目も合わせてくれなかった。

何を考えているのか、全く分からない。

まるで別人のようにも思えた。


くるくるのあの髪の毛だって、ストレートにして、
いつもの笑顔はなかった。

ただ、真っ直ぐ前を見ているだけ。


専属についた後輩からは " クールで寡黙な人 "
なんてイメージがついてるらしい。


クールなんてイメージ、俺らからしたらかけ離れてる。かけ離れすぎてる。

明るくて、無邪気で…それが彼女だ。

最悪な決断→←しょうがない

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