約束 ページ9
Your side
聞いちゃった。
なんでだろう、寝起きだったし、ぼーっとしてたから
なんか勢いで聞いちゃった。
嘘でもすぐに否定して欲しかったのに。
なんもないよ、ってその言葉を待ってたのに。
呆然として、焦ってる玲於くんの表情、
すぐに分かっちゃうのに。
玲於くんも寝室から出てきて、
ごめん、って一言そう言って私の前に立ったまま、
ばつが悪そうに斜め下を見つめてる。
子供みたい、こうやってふてくされてるみたいなの。
玲於くんの方がよっぽど子供だよ。
「ホノカに…幼馴染みに、頼まれた。
あいつの母親がもう危ないからって…俺に婚約者の
フリをして欲しいって、」
「断ってよ、そんなの」
「……ごめん」
「どんな理由でも…それが嘘でも…私傷つくよ。
玲於くんが他の人と婚約するってフリでも嫌だよ。
それがホノカさんだったから承諾したの?
ありえない、ありえないよ。」
自分で言ってるのに、その言葉が剣になって
自らの胸に深く刺さってくる。
痛くて、張り裂けそうで、涙で視界がぼやけた。
朝から喧嘩なんかしたくないのに。
「…ごめん」
「……やめて、もうホノカさんと会わないで…っ」
めんどくさい彼女。
自分でも自覚あるけど、玲於くんに言わなきゃ、
この胸の痛みをどこに向けたらいいかわからない。
「俺、約束しちゃったから。」
「……いや、」
「ちゃんと聞いて、お願い」
どこか行こうとすると、その腕を引っ張られて
簡単に玲於くんの胸に閉じ込められる。
「ホノカに____
「その名前、聞きたくない…っ」
「幼馴染みと、約束しちゃんたんだ。
最期まで…フリするって」
「いや…絶対にいやだ…」
「…俺、その幼馴染みの母親には感謝してる。
俺も恩返しのつもりだから…それだけだから。」
「…いや…っ」
「分かってよ、」
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LEN(プロフ) - 二人の関係が今後どうなるか物凄く気になります。 ゆっくりでいいので更新楽しみにしてますね。 (2020年2月13日 23時) (レス) id: 75d869de6b (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - この作品大好きで最近更新心待ちにしてます!頑張ってください! (2020年2月1日 23時) (レス) id: 15f372c01a (このIDを非表示/違反報告)
なつき - この作品大好きです!スランプ大変かもしれませんが、ずっと読み続けます。リアルでストーリーも大好きです (2020年2月1日 10時) (レス) id: 51c945f113 (このIDを非表示/違反報告)
あき - 更新嬉しいです!お忙しいかと思いますが、楽しみにしています! (2020年1月27日 1時) (レス) id: a756f2870a (このIDを非表示/違反報告)
かな - 仕事から疲れて帰ってきて、寝る前にいつもごろんして楽しみにして読んでます! (2020年1月8日 0時) (レス) id: 388e5f00f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふたば | 作成日時:2019年12月30日 22時