好きだよ、レオくん３【佐野玲於】

空白の時間 ページ34

Your side



「でさ、そこで亜嵐くんがさ、_____」


息つく暇もなく、とはまさにこのことだろうか。
玲於くんはメンバーのこと、ハナさんのこと、
最近のお仕事のこと。

30分くらいほとんど喋りっぱなりだった。

私たちの空白の数ヶ月を凄まじい勢いで
埋めていくようなこの感覚。


私の知らない、玲於くんの時間。




「Aは？どうだったここ数ヶ月間」

「…うーん、どうだったのかな。」

「仕事は？美容室。ほら、あのチャラ男とか」

「だからナルセさんだって。
別に普通だよ。仕事漬けの毎日って感じ」

「…彼氏、とかできなかったの。」

「できるわけないじゃん」


一番聞きたいホノカさんとのこと。
いざその名前を出そうとすると、身構えてしまい
なかなか聞くことができない。


「俺さ、お前にもう隠し事したくないから」

「……うん、」

「聞きたいことあんなら、ちゃんと答えるから」

「……」

「俺、やっぱそれくらい好きだから。
もう…傷つけたくない」



そんなこと言われたら、また泣いちゃうよ。
珍しく真剣な顔で、こんなこと言えるんだもん。

嬉しいはずなのに、ありがとう、って
そう言いたいはずなのに。
出てくるのは涙だけだった。

辛い、って正直そう思ってしまった。



「…ばか、なに泣いてんの」

「……辛い…っの玲於くん、好きでいるの…っ」

「………」

「私は…ホノカさんにはっ…なれないよ…っ？」

「AはAだよ。好きなのもA」

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