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儚いもの ページ28

Reo side



エレベーターで18階まで上がる。
ポーンと音を立てて扉が開けば、見慣れた風景。

ホノカがこのマンションに引っ越したのは1ヶ月前。
ひとりにしておくのが不安だった、なんて理由で
同じマンションに引っ越してきた。

元々、実家暮らしだったホノカが、
おばさんが亡くなった今、ひとりで
あの家に住むのは嫌だ、というのが最もな理由。



「…ただいま」

薄暗い部屋を抜けると、
ソファーで寝息をたてるホノカ。

ほんとこいつ、生きてんのかなって不安になる。

母親を亡くした今、こいつ守れんの俺しかいない、
なんてカッコつけたこと言った数ヶ月前の俺。
そんな決心なんて儚いもの。
ため息しか出ない。



「…あいつ、何してんのかな」

俺だけの声が部屋に小さく響く。
すげぇ…なんか、ばかみたい。

未練たらたらの元カレじゃん、こんなん。




裕太くんとふたりで大阪に帰省するって
隼に聞いてから、そっからずっと落ち着かないし。

俺的には、裕太くんとふたりっていうのが
もう結構きてるわけであって…



「…れお、?」

「ん。起きた?」

「……こっち来て」



甘えた声で目を覚まして、俺のことを呼んだ。
その声で名前呼ばれたら最後。
俺はホノカの横に腰掛けた。



「すげぇ疲れてる」

「……うん、なんか変な夢見た」

「…そっか」



そんなやりとりをしていると、
ホノカの頭が俺の方にコテンと傾く。
俺は拒まない、いや…拒むことができない。

そのまま彼女を抱きしめた。
ふと思い出されるのはAの顔と、声。


" レオくん " って呼ぶあの声。


なんでだろう、最近やけに思い返された。

そっけない→←恋って



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設定タグ:佐野玲於 , GENERATIONS   
作品ジャンル:恋愛
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LEN(プロフ) - 二人の関係が今後どうなるか物凄く気になります。 ゆっくりでいいので更新楽しみにしてますね。 (2020年2月13日 23時) (レス) id: 75d869de6b (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - この作品大好きで最近更新心待ちにしてます!頑張ってください! (2020年2月1日 23時) (レス) id: 15f372c01a (このIDを非表示/違反報告)
なつき - この作品大好きです!スランプ大変かもしれませんが、ずっと読み続けます。リアルでストーリーも大好きです (2020年2月1日 10時) (レス) id: 51c945f113 (このIDを非表示/違反報告)
あき - 更新嬉しいです!お忙しいかと思いますが、楽しみにしています! (2020年1月27日 1時) (レス) id: a756f2870a (このIDを非表示/違反報告)
かな - 仕事から疲れて帰ってきて、寝る前にいつもごろんして楽しみにして読んでます! (2020年1月8日 0時) (レス) id: 388e5f00f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふたば | 作成日時:2019年12月30日 22時

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