好きだよ、レオくん３【佐野玲於】

キョリ ページ3

Reo side


なんだかんだ言いつつ、ちゃんと髪乾かしてくれて、
また俺の隣でうとうとし始める。


「もう寝るか、」

「……うん…」

「ふっ、もう半分寝てんじゃん」


歩かせるのもかわいそうだったから、お姫様抱っこ。
普段は絶対嫌がるけど、意識もあるかないか、って
感じだから大人しくしてくれた。

ベッドにそっと置くと、なんかちょっと笑ってて、
こいつの笑顔見るとなんか安心するな、って。


「おやすみ」


もう返事は返ってこなかった。
聞こえるのは微かな寝息だけ。

それがなんか妙に安心して、こいつは一生、俺のそばから離れない。
何故か今はそんな確信すら湧いてきた。


Aといても頭のどこかにいるのはホノカ。
でも大切にしたいのは、Aだけ。
愛してるのは… Aだけ。
それは本当に嘘なんかなくて、マジで…好き。

最初はこいつが俺の後ろ付き纏ってきて始まった関係

Aの方が俺のこと好き、って俺も思ってたけど
多分今は、俺の方がAのこと好きだと思う。


バカみたいに明るいところも
喜怒哀楽激しすぎるところも
俺に好き、って言ってくれるところも
ドライヤーで髪乾かしてかれるところも
裕太くんが好きなところも

俺、全部好き。
こいつのために今働いてるって言っても過言にはならないよ。

それなのにこいつに嘘ついてると、
どんどんキョリが生まれていくような気がする。



ごめんって気持ちで、Aの頬に手を当てる。
あったかくて、なんか泣きそうになった。

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