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思い過ごし ページ13

Yuta side


って思ってたけど、来てしまった。
家の前に立ち尽くすこと早5分。
目の前にあるインターフォンを押すだけでええのに
そんな勇気、俺に備わってへんかった。


「裕太くん…?」

あの声が聞こえた。優しくて、落ち着くあの声。


「やっぱり裕太くんじゃん。
どうしたの?うちの前で立ち尽くして」

「…あぁ、いや、たまたま近く通ったから、
Aどうしてるかなぁ、って思って。」


見えすいた嘘。多分Aにもバレてんやろな。
それでも、そうなんだ、って言って
部屋に通してくれる彼女はやっぱり優しい。

ちょっと顔合わせただけやけど、
なんか少しやつれた感じしたなぁ。
仕事が忙しいってのもあるんやろうけど。



「ごめん、今部屋散らかってるけど」

「そうでもないやろ。そんな仕事忙しいんか?」

「うん、大分大変かも

…あ、適当に座ってて」


言われた通りソファーに腰掛ければ
玲於のネックレスやら服やら、部屋のあちこちに
置いてある。同棲してるん?って勘違いするほど。
やっぱり、ふたりが喧嘩してるかもしれんって
俺の思い過ごしやったのかな。


「…その、ネックレスとかさ。
渡してもらえないかな、玲於くんに」

「なんで?」

「…ちょっと今、色々あって。
直接会うの難しいかなって思って。」

「……そうか」


詳しく話を聞くべきなんやろか。
俯い顔で話す彼女の顔を、覗き込んでまで
この話に踏み込むべきなのか。
俺にそんな資格、あるんかなぁ。

間接的な理由とはいえ、専属スタイリストを
やめさせてしまった立場。
その罪悪感はいまだに消えてへんかった。


「なんかあったら、すぐ言って欲しい。」

「…うん、」

「相談いつでも乗るからな」

「……ありがと、裕太くん」

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設定タグ:佐野玲於 , GENERATIONS   
作品ジャンル:恋愛
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LEN(プロフ) - 二人の関係が今後どうなるか物凄く気になります。 ゆっくりでいいので更新楽しみにしてますね。 (2020年2月13日 23時) (レス) id: 75d869de6b (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - この作品大好きで最近更新心待ちにしてます!頑張ってください! (2020年2月1日 23時) (レス) id: 15f372c01a (このIDを非表示/違反報告)
なつき - この作品大好きです!スランプ大変かもしれませんが、ずっと読み続けます。リアルでストーリーも大好きです (2020年2月1日 10時) (レス) id: 51c945f113 (このIDを非表示/違反報告)
あき - 更新嬉しいです!お忙しいかと思いますが、楽しみにしています! (2020年1月27日 1時) (レス) id: a756f2870a (このIDを非表示/違反報告)
かな - 仕事から疲れて帰ってきて、寝る前にいつもごろんして楽しみにして読んでます! (2020年1月8日 0時) (レス) id: 388e5f00f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふたば | 作成日時:2019年12月30日 22時

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