好きだよ、レオくん【佐野玲於】

タイプ ページ37

Reo side



Aを駅まで送って行って、まだ少し痛む足を
かばいながらゆっくりと帰路についた。

ふと、先ほどの会話が脳裏に浮かぶ。



" 好きって言ったら…迷惑？ "

" ううん、迷惑じゃない "



俺また、あいつに期待させるようなことばっかり
言ってるじゃん。

迷惑じゃない、っていうのは本心。
うるさいし、朝眠い時はうざいときもあるけど…
ご飯行ったり、そういうのは楽しい。




また裕太くんに怒られちゃうなぁ、
うちの妹を傷付けんなって

なんか最近、本当の兄妹に見えてきた。




「…めんどくさ、」ﾎﾞｿｯ




もともと、めんどくさいことには首を突っ込まない
タイプだった。恋愛感情なんて、一過性のもの。
俺にとっては…めんどくさいこと。





A【玲於くん、足お大事にね。送ってくれてありがとう！嬉しかった。】



ポケットの中で振動する携帯を確認すると、さっき
別れたあいつからのメール。

嬉しかった、とか
悲しかった、とか
ありがとう、とか
ごめんなさい、とか

素直な気持ちをこうやって伝えられる人って。
少し羨ましい気もする。



【うん、気をつけて帰って】



素っ気ない自分の返信を改めて眺め、ため息が出る。

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