４６ ページ47
「はしゃぎすぎたな...ツム」
「せやな...サム」
「じゃあまたな飛雄くん」
「あ...はい」
「翔陽くん」
「ハイ？」
「俺はいつかアンタにトスを上げるで」
「？？」
「でもその前にインターハイで潰したるから覚悟しときや」
「負け犬の遠吠えか」
「はあー！！おれは負けてわけちゃうぞぉ！！」
「罵れや
敗者に拍手なんか要らんねん」
「喧しいわっ侑クラァッ！！
顔に出とんねんお前はァ！！
良い試合にはいつだって賞賛じゃボケェッ！！」
『ありがとうございました！』
「敗因は何だったでしょうか」
「今回勝つにはもっと手堅く攻めるべきだったかもしれないですね
私のミスです
だが確実に選手躍進の一戦でした」
「あの...」
「ん？」
「す...すみませんでした」
「謝って少しでもスッキリしようと思うとんのか？」
「！？そんなんと違います！！」
「わかってるで
すまんな
けど謝んのはホンマに悪いと思とる時にしいや
俺もさっきの速攻が間違うとったと思えへんねん
決まると思た
まぁ...練習でやってへん事を本番でやろうとすんのは嫌いやけどな」
「ラストのあれは相手が悪かったんやろなあ」
「せやな
お前らがノリノリのとき、他の奴は大抵おいてきぼりになるんやけど
今回に限っては向こうも同じくらいノリノリやったんやなあ
高揚したやろ
そんな試合そうそうできんのと違うか
ええなあ」
「今北さん笑とったな…？」
「...うん」
「試合中も何回か笑ってましたよ」
「マジか」
「けど...やっぱり悔しいなぁ...今までちゃんとやってきたし後悔なんか無いって言い切れる
俺にとって結果は単なる副産物なのも変わらんのに…なんやろなあ
どや？俺の仲間すごいやろってもっと言いたかったわ」
「言ってくださいよ」
「孫の代まで自慢できる後輩になりますから」
「それは楽しみやなあ
ほれ、はよ着替え」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いちご | 作成日時：2023年11月30日 19時
